目次

  1. 職域接種とは
    1. 職域接種に使うワクチン
    2. 職域接種いつから?申請受け付けは?
    3. 職域接種の接種対象と接種順位
    4. 職域接種の費用
    5. 企業の準備
    6. 接種券の取り扱い
  2. 想定される職域接種の流れ
    1. 受付
    2. 予診票確認
    3. 医師による予診 
    4. 看護師などによる接種
    5. 接種済証の交付
    6. 接種後の状態観察
  3. 職域接種の注意点
  4. 職域接種の相談先 中小企業向けも設置

 職域接種(読み方:しょくいきせっしゅ)とは、企業や大学などが新型コロナワクチンの接種体制を整えることを指します。

 現在、全国の自治体で始まっている医療従事者や高齢者を優先しているワクチン接種と並行して実施を予定しており、自治体の負担軽減や全体の接種スケジュールの前倒しが目的です。

職域接種のポイント(厚労省の公式サイトから引用)

 モデルナ社製ワクチンを使用します。接種する日に18歳以上の人が対象で、4週間の間隔をあけて2回の接種が必要です。詳しくは、厚生労働省の公式サイトで確認してください。

ワクチンの接種間隔と効果(朝日新聞デジタルから引用)

 2021年6月21日から順次開始する予定で、大企業を中心に準備が進んでいます。さらに、高齢者への接種が早期に完了する見込みの自治体では、自治体の判断で、時期を前倒しもできます。

 政府は首相官邸内の専用サイトで、6月8日から企業からの申請受付を始めましたが、25日17時で新規の申請受付を一旦休止することを公表しました。

 河野太郎行政改革相は7月16日の閣議後会見で、申請を受け付けた職域接種の約5000会場のうち、約半分は待機状態が続き、その多くが8月のお盆明けにならないと開始できない、との見通しを示しています。

 職域接種は、正規・非正規・契約・派遣社員など雇用形態に関わらず、その企業で本人確認ができる従業員やその家族などが対象とされています。

 中小企業の場合は、商工会議所などを通じて共同で実施することや大企業が下請け企業も対象に含めることが想定されています。

 その職域接種の対象者のなかでは、高齢者や基礎疾患のある人が優先的に接種できる機会を設けることを政府が求めています。接種の副反応による健康被害には、救済制度が設けられています。

 職域接種にかかる費用は、予防接種法にもとづいて被接種者が住む市区町村から負担金が支給されます。接種に必要なワクチンや保管用の冷凍庫、注射器、防護具は、国が準備する予定です。

 自治体による高齢者等への接種に影響を与えないように配慮しつつ、職域接種をする企業が会場や医療従事者を確保する必要があります。日本医師会は日本看護協会と協力して、医師や看護師の人材確保の相談にのる専用サイト「新型コロナワクチン接種人材確保相談窓口」を開設しました。このサイトで、企業の職域接種に関する相談も受け付けています。

 接種場所やその動線の確保、対外調整の事務局、ワクチンの保管場所も必要となります。同一の接種会場で2回の接種を完了し、最低2000回(1000人×2回接種)程度の接種をすることが想定されています。

 冷蔵庫、消毒用アルコール綿、体温計、救急用品、針捨て容器については企業側で準備が必要です。

 下の接種フロー図は、クリックまたはタップすると拡大した画像を見ることができます。スマホの場合はピンチアウトするとさらに拡大できます。

6月8日時点の職域接種の準備フロー図(首相官邸の専用サイトから引用)

 接種券が届く前でも接種可能ですが、接種券が発送された後は、企業などが本人から回収する必要があります。

 首相官邸内の専用サイトによると、職域接種の流れは、自治体の接種会場でのワクチン接種が参考になります。

 検温、身分証明書の確認、予診票記載の案内をします。

 記載項目の抜け漏れ・不備のチェックをします。2回目接種の場合は接種間隔や1回目のワクチンと同じかも確認が必要です。

 接種前に体調や持病を確認する等必要な診察をし、予防接種を受けることが適当でない人または予防接種の判断に注意が必要な人かどうかを確認します。

 薬液を充填する薬剤師などの配置も必要です。

 接種したワクチンのワクチンシールを接種済証に貼り、接種日・接種場所を書きます。

 アナフィラキシーや血管迷走神経反射等の症状が生じることがあるため、少なくとも15分間観察が必要です。

 国は新型コロナワクチンの接種を勧めていますが、強制ではありません。予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けるのが原則です。そのため、本人の同意なしに接種はできません。

 厚労省は、職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをしたりしないよう呼びかけています。職場におけるいじめ・嫌がらせなどに関する厚労省の相談窓口はこちら。

 政府は6月4日、業界ごとに職域接種に関する相談窓口を設けました。担当する業界ごとに省庁が分かれています。

 特に、中小企業を含む地域の企業における職域接種を推進するため、各地方経済産業局にも、相談窓口を設置しています。

 相談窓口一覧のPDF資料は、経産省の公式サイトで公表されています。