目次

  1. Power Automate Desktop とは? 
    1. Power Automate Desktop の特徴
    2. Power Automate Desktop の価格
  2. Power Automate Desktop でできること
    1. Excel 業務を効率化できる
    2. ネット情報取得業務の効率化を実現できる
    3. デスクトップアプリ連携により重複業務の排除が可能になる
  3. Power Automate Desktop の使い方
    1. Power Automate Desktop のインストール手順
    2. Power Automate Desktopのサンプルアプリを開く手順
    3. サンプルフローからExcel レポートを集約するための手順
  4. 手軽に始め、組織の業務改革に活用できるツール

 Power Automate Desktop は、業務フローにアクションと呼ばれるコントロールを配置し、パラメータを設定してアプリを開発する製品です。

 複数の Excel ファイルに記録されたデータをひとつのExcel ファイルに自動でまとめる、ネット上の情報から必要なものだけを自動でピックアップして収集する、といったことができます。

 まずは、Power Automate という類似製品と比較しながら特徴と価格を紹介します。

Power Automate Desktopの特徴とできること
Power Automate Desktopの特徴とできること(デザイン:吉田咲雪)

 Power Automate Desktop の実行環境は主にパソコンであり、操作スキルもそこまで求められないのが特徴です。

 一方で、Power Automate の実行環境は、Microsoft Azureというクラウドプラットフォームであり、コネクタ(詳細後述)に関する知識が必要という違いがあります。

 ツールに対する専門知識がそこまでない場合や、手軽に導入したい場合はPower Automate Desktop が適しているでしょう。

項目名 Power Automate Desktop Power Automate
開発・実行環境 パソコン Microsoft Azure
実行方法 パソコンで起動し、手動操作で実行される 自動、予定、インスタントなどの条件指定により起動し、自動で実行される
コネクタ・アクション数 365 アクション 690 コネクタ
必要なスキル パソコンでの操作手順などのスキルのみ コネクタに関する知識・スキル
監視機能 画面に表示されるエラーメッセージのみ 過去履歴を含め蓄積
費用 有償・無償 有償

※コネクタは、外部サービス(例:Facebook, Twitterなど)を利用するための機能
※アクションは、フロー内で処理を定義(Excel を開く、ループ処理など)する際に利用する機能

 Power Automate Desktop は、有償版と無償版の2つがあります。

①有償版

 有償版は、Power Automate, Microsoft 365, Dynamics 365 などでライセンス契約した際に作成したアカウントを利用するタイプです。そのため、料金は契約したライセンスによって変わります。

 一方で、すべてのライセンスで Power Automate Desktop を利用できるわけではありません。

 下表は、Power Automate ライセンスの各料金と、Power Automate Desktopの利用可否をまとめたものです。

項目名 Power Automate の価格 Power Automate Desktop の利用可否
ユーザー毎のライセンス 1630円 ×
ユーザー毎のライセンス・アテンド型 4350円
フロー毎のライセンス 1万870円 ×
非アテンド型 RPA アドオン 1万6310円

※アテンド型は、パソコンを起動し、ログインした状態で Power Automate Desktop を利用する形態
※非アテンド型は、パソコンを起動し、ログインしていない状態で Power Automate Desktop を利用する形態

②無償版

 無償版は、「Windows 10 以降のOS」で「Microsoft アカウント利用時」にかぎり、利用できます。

③有償ライセンスを利用するメリット

 Power Automate Desktop は、無償版ライセンスで利用もできますが、有償版には次のようなメリットがあるため、自社の利用環境にあわせて選択することをおすすめします。

  1. 自動的に処理を実行できる
    無償版では特定の時間・条件で自動的にフローを実行することはできませんが、有償版では自動的に処理実行が可能です。
  2. エラー発生時の履歴管理ができる
    無償版では実行時に画面に表示されるエラーだけしか把握することはできませんが、有償版ではエラー情報が蓄積されて過去の履歴として把握することが可能です。
  3. 処理分散ができる
    Power Automate Desktop を複数のパソコンで実行する場合、複数のパソコンで処理を振り分けて実行でき、処理遅延の軽減を図ることができます。

 次に、Power AutomateDesktop を利用することで、解決できる具体事例についてご紹介します。

 Excel 操作に特化したアクションが28個用意されており、Excel のマクロを利用して業務効率化を推進している方に最適なツールとして利用可能です。

Excel 業務を効率化

 たとえば、各地区営業部門から送信された売上 Excel ファイルを特定のフォルダーに保存し、フロー実行することで、各ファイルのデータをひとつの Excel ファイルに自動でまとめることができます。

 インターネットで公開されているさまざまな情報を取得するアクションが23個用意されており、サイトから必要な情報をコピー & ペーストで利用する方に業務効率化と信頼性をアップするツールとして利用可能です。

ネット情報取得業務を効率化

 たとえば、特定日時の天気情報を取得し、関連する情報(天気・気温・湿度など)を元に特定の計算式から売れる弁当数を予測して、準備する弁当数を Excel ファイルなどに出力できます。

 デスクトップアプリを操作するアクションが32個用意されており、自動化することで、重複データ入力業務を削減するツールとして利用可能です。

重複業務の排除

 たとえば、イベント・営業活動で取得した顧客情報をエクセルファイルに入力し、さらに社内顧客管理システムにも登録するとき、同じ情報を繰り返し入力する重複作業を削除しながら、自動的に社内営業管理システムに登録を行うことができます。

 次に Power Automate Desktop を利用する手順について、具体的なインストール手順・テンプレート利用によるフロー作成・利用方法についてご紹介します。

 Power Automate Desktop は、Microsoft Store で公開されているアプリです。Microsoft Store を利用することで、簡単にインストールでき、アップデートも簡単に行うことができます。

 ※Windows 11 からはOSの一部として組み込まれているため、すぐに利用可能です。

Microsoft Store 画面
Microsoft Store 画面

 Microsoft Store を起動したら、検索欄に Power Automate と入力(①)、検索アイコンを選択(②)します。Power Automate の詳細画面が出てくるので、入手アイコンを選択(③)すれば、インストール完了です。

 Power Automate Desktop には、テンプレートとして直ぐに利用できるサンプルアプリが提供されています。本記事では、サンプルアプリの選択画面に進むまでの手順についてご紹介します。

 まずは、タスクバーからインジケーターを選択(①)、Power Automate Desktop アイコンをダブルクリック(②)して、Power Automate Desktop を起動させましょう。

インジケーター
インジケーター

 フローコンソール画面(作成したフローの実行・修正などを行う画面)から、例を選択します。

フローコンソール画面
フローコンソール画面

 無事にサンプルアプリの選択画面が開きました。

サンプルアプリ選択画面
サンプルアプリ選択画面

 表示された画面から、サンプルアプリのカテゴリを選択します。以下で、カテゴリからサンプルアプリの概要をご紹介します。

①Excel 自動化

 Excel 自動化サンプルでは、Excel を操作する際に必要になるアクションの利用方法について説明しています。

Excel 自動化

【画面概要】
 1) 選択したフローを実行
 2) 実行しているフローを停止
 3) 選択したフローを修正(フローデザイナーが起動)
 4) その他メニューを表示(実行・停止・編集・コピーを作成)

②Web オートメーション

 Web オートメーションサンプルでは、Web ページを操作する際に必要になるアクションの利用方法について説明しています。

Web オートメーション

【画面概要】 
 1) 選択したフローを実行
 2) 実行しているフローを停止
 3) 選択したフローを修正(フローデザイナーが起動)
 4) その他メニューを表示(実行・停止・編集・コピーを作成)

③デスクトップオートメーション

 デスクトップオートメーションサンプルでは、デスクトップアプリを操作する際に必要になるアクションの利用方法について説明しています。

デスクトップオートメーション

【画面概要】
 1) 選択したフローを実行
 2) 実行しているフローを停止
 3) 選択したフローを修正(フローデザイナーが起動)
 4) その他メニューを表示(実行・停止・編集・コピーを作成)

 最後に、サンプルフローから、Excel レポートを集約するフローを作成するまでの手順をご紹介します。

①フローの作成画面に遷移する

 まずは、サンプルアプリの Excel 自動化から、フローの作成画面に遷移します。

フローの作成画面

【画面概要】
 1)アクショングループ - フローを作成するアクションが一覧で表示
 2)ワークスペース - アクショングループからアクションをドラッグアンドドロップで配置し、フローを作成
 3)変数ペイン - フロー内で利用される変数が一覧で表示

②アクションを構成する

 アクションをワークスペースに配置またはダブルクリックすることで、アクションダイアログが表示されます。必要なパラメータ、自動生成される変数を確認します。

アクションダイアログ

【画面概要】
 1) テキスト、ドロップダウン、チェックボックス、フォームなどパラメータを設定
 2) 自動生成された変数は、他のアクションで利用

③作成したフローを実行する

 作成したフローを、①を選択して実行します。

作成したフローを実行

【画面概要】 
 1)実行 - 作成したフローを実行
 2)停止 - 実行しているフローを停止
 3)アクション毎に実行 - 一つのアクションを順番に実行
 4)実行遅延 - アクション実行後にフローが待機する時間を設定

④フローの不具合を調査する

 作成したフローが正常に動作し無い場合には、変数の値を確認しながら、不具合箇所の特定を行いながら、修正を行います。

フローの不具合を調査

【画面概要】
 1)ブレークポイント設定 - 処理を停止する場所をマウスで選択することで停止位置を指定、再度選択することで解除可能
 2)実行 - 作成したフローを実行
 3)処理停止 - ブレークポイントでフローの一時停止
 4)変数値確認 - フロー停止位置で変数の値を確認

 Power Automate Desktop は、「ノーコード・ローコードで業務を改善できる」という言葉で登場した RPA(Robotic Process Automation)の一つと位置づけられる製品です。

 市場では、さまざまな RPA 製品が提供されていますが、導入費用・導入工数・導入教育などが必要になるものが少なくなく、諦める方も多いと聞きます。

 一方で、今回ご紹介した「Power Automate Desktop」は、無償版ライセンスなどもあり、個人レベルから始めることができるものです。

 ある程度のスキルも必要になりますが、操作性も良いので、シンプルな業務改善から始めてステップアップを図りながら利用していくと、組織での自動化・効率化ツールとして役立つかと思います。