目次

  1. JTBが公表した2023年夏休み旅行動向の推計
  2. アンケートをもとにした旅行日数や人数
    1. 旅行日数
    2. 旅行人数
    3. 出かける場所として気になっているところ
    4. 旅行先
    5. 旅行費用
    6. 交通機関
  3. 長期化、遠距離化が加速、同行者の対象や人数が拡大

 1969年から夏休みの旅行動向について公表しているJTBが2023年7月、1泊以上の旅行に出かける人の推計値を公表しました。旅行動向アンケート、経済指標、業界動向や予約状況などをもとにしたと説明しています。

 くわしい推計値は次の通りです。

2023年推計 2022年比 2019年比
国内旅行人数 7250万人 +16.9% +0.1%
国内旅行平均費用 4万円 +8.1% +9.6%
国内旅行消費額 2.9兆円 +26.4% +9.7%

 このほか、JTBは、2023年夏の旅行トレンドを探るため、インターネットでアンケートを実施しました。調査方法は次の通りです。

  • 調査実施期間: 2023年6月14~17日
  • 調査対象: 全国15歳以上79歳までの男女
  • サンプル数: 事前調査1万人。事前調査で「夏休みに旅行に行く/たぶん行く」と回答した2060人に対し本調査を実施

 ここからは、アンケートの本調査の結果をもとに、旅行動向を紹介します。

 「2泊(36.2%)」が前年から3.1ポイント増加し、最も多くなりました。次いで、「1泊(32.6%)」が前年から3.2ポイント減少、「3泊(17.9%)」が0.4ポイント減少となりました。

2023年(%) 2022年比
1泊2日 32.6 ▲3.2
2泊3日 36.2 3.1
3泊4日 17.9 ▲0.4
4泊5日 4.6 0.5
5泊6日 3.5 ▲0.3
6泊7日 1.5 0.6
7泊8日 1.5 0.2
8泊以上 2.3 ▲0.6

 コロナ禍で増えていた、家族やひとりが中心だった旅行から、同行者の対象が拡大する傾向が2022年に続き見られます。

2023年(%) 2022年比
夫婦のみ 24.3 ▲0.2
子ども連れ 20.9 ▲0.2
3世代 6.6 0.0
それ以外(母娘など) 8.7 ▲0.2
家族と友人・知人 6.3 1.1
友人・知人・パートナー 14.5 0.4
職場 1.0 0.3
ひとり 17.0 ▲0.8
その他 0.8 ▲0.3

 出かける場所として気になっているところは「自然の景色が楽しめる場所(国立公園や花畑など)(28.3%)」、次いで「自然の体験が楽しめる場所(登山やアウトドア、キャンプなど)(16.4%)」となりました。いずれも2022年より減少しています。

 性年代別に見ると、「自然の景色が楽しめる場所(国立公園や花畑など)」は男女70代が高く、「自然の体験が楽しめる場所(登山やアウトドア、キャンプなど)」は男性30代、女性40代が高い結果となりました。

 また「花火大会」「東京ディズニーリゾート」「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」はいずれも女性29歳以下が最も高くなっています。

 居住地別に旅行先を見ると、旅行先と居住地が同じ地方である域内旅行の割合は、九州地方以外のすべての地域で2022年より減少となり、域外の旅行が増加しています。

 「関東(18.3%)」が最も多く、次いで「北海道(12.5%)」「近畿(12.3%)」「甲信越(10.8%)」「東北(10.1%)」の順となっています。

 「4万円~5万円未満(18.5%)」が2022年から1.1ポイント増加し最も多く、次いで「2万円~3万円未満(18.3%)」、「1万円~2万円未満(16.7%)」となりました。4万円以上の合計は4.1ポイントの増加となっています。

費用 2023年(%) 2022年比
1万円未満 8.7 ▲0.5
1万~2万円未満 16.7 ▲3.9
2万~3万円未満 18.3 ▲0.1
3万~4万円未満 9.6 0.5
4万~5万円未満 18.5 1.1
5万~7万円未満 8.8 0.8
7万~10万円未満 11.6 0.0
10万~15万円未満 4.4 1.4
15万~20万円未満 1.9 ▲0.3
20万~30万円未満 1.0 0.5
30万~40万円未満 0.4 0.4
40万円以上 0.3 0.2

 コロナ禍では感染対策として他人との接触を避けるため、自家用車の利用による近距離旅行の傾向が顕著でしたが、新幹線や航空機を使って遠方へ行く意向が高まっています。

利用交通機関 2023年(%) 2022年比
乗用車 49.8 ▲1.4
レンタカー 13.5 2.8
JR新幹線 27.9 4.7
JR在来線・私鉄 19.7 ▲0.6
従来の航空会社 20.7 2.9
格安航空会社(LCC) 6.1 0.6
高速・長距離バス 5.7 ▲0.5
貸し切りバス 1.6 ▲1.1
フェリー・船 3.2 1.2

 コロナ禍では「安近短」で少人数で自然を楽しむ旅行が増えていましたが、2023年の旅行動向を見る限り、2022年の傾向から長期化、遠距離化が加速、同行者の対象や人数が拡大しています。

 旅行目的は風景・食事・名所などを楽しむ人が増え、JTBは「コロナ禍前に戻りつつあることが実感できます」とコメントしています。