タトゥーシールをビジネスに

――社内で「埋もれた技術だった」というタッチパネル用保護フィルムが台湾でヒットしました(前編参照)。同じように、入れ墨や傷痕を隠す「特殊転写シール(タトゥーシール)」を、国内向け商品として前面に出したのはなぜでしょうか。

 リーマン・ショック以降、国内向けにも新しいビジネスの可能性を探っていました。そのなかで、1993年に「水を使わず、すぐ貼れるタトゥーシール」を開発したことに注目しました。

 当時もビジネスとしては成立しましたが、本業である工業用テープが急激に拡大したため、市場規模が小さかったタトゥーシールにはまったく力を入れていませんでした。

 しかし、水を使わないタトゥーシールは珍しく、コストは高くてもユニークな製品。何かアイデアをプラスできれば、利益を出せるかもしれないと踏んだのです。

コスモテックの「特殊転写シール(タトゥーシール)」

――事業を進めるにあたり、従業員の理解をどのように得たのでしょうか。

 社内だけでアイデアを出すのは難しいので、宣伝や認知活動を通して、技術を外に開く方向性を共有しました。特殊な技術も、新しいビジネスを作ることでしか展開できません。色々なところに顔を出し、コネクションを作って、仮説でもいいから提案することを繰り返しながら、可能性を探りました。

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