事業承継を薄々と意識

――コスモテックはどんな事業を手掛けているのでしょうか。

 コスモテックは、粘着テープ開発の技術者だった父が50歳で独立し、1989年に母ともう1人の社員で立ち上げました。創業以来、一貫して機能性フィルムの開発、生産、販売を手がけています。

 機能性フィルムの中でも、パソコンのディスプレーやタッチパネルの中に部品として入る「工業用テープ」や、フィルムをつくっています。電子部品や半導体をつくる工程など工場内だけで使われ、一般の目に触れることのないテープも多く扱います。

――消費者向け商品の割合は全体で何%ですか。

 10〜15%です。事業の約9割がBtoB事業になります。唯一、消費者の目に触れる可能性が高いのは、クレジットカードを郵送する書類に使われる、カードを接着するためのシールです。輸送中にカードが脱落しないようにしつつ、カードをはがしたら、テープは紙にきれいに残ります。意外と細かい技術による製品です。

――高見澤さんは入社前、家業についてどのような印象を抱いていましたか。

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