19年前の2003年5月9日、小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられました。

当時の朝日新聞は、「小惑星探査機『はやぶさ』宇宙へ 打ち上げ成功」との見出しとともに、一面でこう伝えています。

文部科学省宇宙科学研究所のロケット「M(ミュー)5」5号機は9日、鹿児島宇宙空間観測所から打ち上げられ、小惑星から砂粒を持ち帰るための探査機「ミューゼスC」は切り離された後、予定の軌道に乗った。宇宙研は「打ち上げは成功」と発表、探査機を「はやぶさ」と命名した。 

2003年5月10日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

2003年5月10日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

「はやぶさ」は、小惑星から砂粒を持ち帰るために打ち上げられ、約20億キロ航行して2005年に小惑星イトカワに到着。

燃料漏れなどのトラブルもあり、もともとの2007年6月の地球への帰還予定を3年遅らせ、2010年6月に無事に帰還しました。

「はやぶさ」を搭載したロケットが打ち上げられた=2003年5月9日、鹿児島宇宙空間観測所、朝日新聞社

その後、「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子を宇宙航空研究開発機構(JAXA)が分析。

JAXAは2016年、この微粒子の表面に、約45億年前のものを含む4種類の模様を確認したと発表しています。

 

「はやぶさ」の後継の小惑星探査機「はやぶさ2」も2014年12月3日に打ち上げられ、2020年12月6日に地球に帰還。

カプセルの中に小惑星リュウグウの砂が入っていることも確認されています。

「はやぶさ」の旅に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年5月9日に公開した記事を転載しました)