目次

  1. 自ら露出を高めるプロジェクト
  2. 「イカなんてさばきたくない」
  3. 震災で熱いものがこみ上げて
  4. 「俺が声を張らないでどうする」
  5. 「イカ王子」を名乗り始めた理由
  6. 水産仲間と作った「チーム漁火」
  7. タラフライをヒット商品に
  8. 街のセントラルキッチンを目指す

 三陸沖に面する岩手県宮古市。共和水産は1985年、鈴木さんの父・徹さん(現社長)が創業した水産加工会社です。

 三男の鈴木さんは10年前から、自身でメディア露出を広めて商品開発を手がける「イカ王子プロジェクト」を手がけています。

 百貨店の水産フェアでは鈴木さん自ら王冠を頭に被り、「イカ王子フェア」を開催。その傍ら、水産業について岩手大学農学部で臨時講師をしたり、観光業者とタッグを組んで宮古市の水産市場を案内する「イカ王子市場ツアー」などを催しています。

 同社の2021年の売り上げは全体で11億6千万円。10年前と比べて約4倍となりました。バニラアイスのようなミニカップにイカそうめんを入れて販売する「カップ入りイカそうめん」の売り上げは3億4800万円で、全体の3割を占めています。

 そのほか、地元名物のタラを使った「王子のぜいたく至福のタラフライ」は、ネットで最長3カ月待ちの人気商品。地元のイベントで出せば行列ができるほどです。

 「普通は誰も自分のことを王子って名付けて、王冠をつけたくないですよ。生まれ変わったらイカ王子なんて絶対にしません」と笑う鈴木さん。今のように家業を引っ張るまでには、曲折がありました。

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