目次

  1. 主力商品は鯨と「金華さば」
  2. 会計事務所で経理を学ぶ
  3. 会社のシンボルが震災で倒壊
  4. 泥の中から掘り出した缶詰
  5. 製造ラインで仕事を学ぶ
  6. 3代目として失敗も経験
  7. 社員のアイデアはすぐOK
  8. 売れないと思った缶詰がヒット
  9. 既存商品もリニューアル
  10. 挑戦し続けられる環境を

 水産物加工品の製造を行う木の屋石巻水産は、木村さんの祖父が1957年、当時石巻の港に水揚げされていた鯨の行商として創業しました。

 やがて缶詰商品の製造を始め、2代目の叔父と父が商品開発にも取り組みました。看板商品は「鯨大和煮」と石巻の港に水揚げされた「金華さば」を使った缶詰です。

 同社は魚市場で直接生魚を買い付け、冷凍することなく缶詰にする「フレッシュパック製法」を用いています。木村さんは「うちの缶詰は鮮度が命。魚屋に並ぶより早く缶詰になるので味が違います」と、力強く話します。

 魚嫌いの子どもでも食べられると人気で、直売所や通販のほか、宮城県内の小売店や土産物店、都内や静岡県などでも販売されています。社員数約100人で年商は20億円を誇ります。

木の屋石巻水産の主力商品である「金華さば」の缶詰

 「私も幼いころによく魚を食べさせられていましたが、今考えると新商品の試食だったのだと思います」と木村さんは振り返ります。

 魚は身近な存在でしたが、父からは家業を継ぐように言われたことは一度もありませんでした。「大学卒業後は地元に帰りたかったのですが、父からはどこかに就職をして、好きなことをやりなさいと言われました」

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。