目次

  1. このままでは使い物にならない
  2. 誰も買わないなら、自分でつくろう
  3. ブランド名に込めた思い
  4. リーバイスから得たお墨付き
  5. 華やかな世界を蹴って興した会社
  6. 「断らない」をモットーに事業拡大
  7. 社員の半分が一斉退職
  8. 職場環境の改善に注力
  9. アイロン技術で軽やかな着心地
  10. こんなに格好いい仕事はない

 米国の業者が差し出した画像に写っていたのは、大きな倉庫に高く積み上げられたボロボロのジーンズ。聞けば、そのすべてがリーバイスの「501」でした。

 「501はジーンズの元祖と言われるモデル。その山をみたとき、後先を考えずに『全部買います』と叫んでいました。実物も確かめていない段階で、です」

 中学1年生のときから501のファンだった山澤さんは2019年6月、米ロサンゼルスで10トンにのぼるジーンズやその端切れを買い付けました。奇特な日本人のうわさは広まり「うちにもあるよ」と声がかかりました。こちらも10トンありました。

 「10トンも20トンも大して変わらないでしょう。二つ返事でまとめて引きとりました」

 しかし、翌春、倉庫に運ばれた20トンのジーンズをみて山澤さんは頭を抱えました。想像をはるかに超えて、汚く、臭かったからです。

 洗濯を試みるも、こびりついた汚れはビクともしません。このままでは使い物にならない――。山澤さんは1年かけて洗浄技術を開発しました。

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