最低賃金とは 2023年度の地域別の改定はいつから? 厚生労働省が発表
厚生労働省によると、最低賃金とは、最低賃金法にもとづき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする基準のことを指します。厚労省は、地方最低賃金審議会が答申した2023年度の地域別最低賃金の改定額を公表しました。それによると、47都道府県で、39円~47円の引き上げとなり、全国平均で1004円となりました。改定額の発効はいつからなのか、都道府県別に紹介します。
厚生労働省によると、最低賃金とは、最低賃金法にもとづき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする基準のことを指します。厚労省は、地方最低賃金審議会が答申した2023年度の地域別最低賃金の改定額を公表しました。それによると、47都道府県で、39円~47円の引き上げとなり、全国平均で1004円となりました。改定額の発効はいつからなのか、都道府県別に紹介します。
厚労省によると、最低賃金には、地域別最低賃金と特定最低賃金の2種類があります。
地域別最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など産業や職種に関係なく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用されます。
特定最低賃金は、特定地域内の特定の産業の基幹的労働者とその使用者に適用されます。
地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。ただし、次の場合は、使用者が都道府県労働局長の許可を受けると最低賃金の減額の特例が認められています。
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。実際に支払われる賃金から一部の賃金(割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当など)を除いたものが対象となります。
地域別最低賃金は、以下の3つのポイントを考慮したうえで、総合的に勘案して定めるとされています。
具体的な流れとしては、まず国の中央最低賃金審議会で審議して示される引上げ額の目安を参考にしながら、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会(公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成)で、地域の実情を踏まえた審議・答申をした後、異議申出に関する手続きを経て、都道府県労働局長が決定します。
各地方最低賃金審議会が調査・審議して答申した結果について、厚労省がまとめました。ポイントは以下の通りです。
今回、最低賃金の引き上げ額が高かったのは次の県です。人手不足のなかで隣県よりも賃金が低いと働き手の流出につながる可能性があるため、地方を中心に国側が示した引き上げの目安額よりも上乗せする県が相次ぎました。
答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、2023年10月1日から10月中旬の間に順次発効されます。具体的な引き上げ額と発行予定日は以下の通りです。
都道府県 | 改定額(答申) | 引き上げ額 | 発効予定年月日 |
---|---|---|---|
北海道 | 960円 | 40円 | 2023年10月1日 |
青森県 | 898円 | 45円 | 2023年10月7日 |
岩手県 | 893円 | 39円 | 2023年10月4日 |
宮城県 | 923円 | 40円 | 2023年10月1日 |
秋田県 | 897円 | 44円 | 2023年10月1日 |
山形県 | 900円 | 46円 | 2023年10月14日 |
福島県 | 900円 | 42円 | 2023年10月1日 |
茨城県 | 953円 | 42円 | 2023年10月1日 |
栃木県 | 954円 | 41円 | 2023年10月1日 |
群馬県 | 935円 | 40円 | 2023年10月5日 |
埼玉県 | 1028円 | 41円 | 2023年10月1日 |
千葉県 | 1026円 | 42円 | 2023年10月1日 |
東京都 | 1113円 | 41円 | 2023年10月1日 |
神奈川県 | 1112円 | 41円 | 2023年10月1日 |
新潟県 | 931円 | 41円 | 2023年10月1日 |
富山県 | 948円 | 40円 | 2023年10月1日 |
石川県 | 933円 | 42円 | 2023年10月4日 |
福井県 | 931円 | 43円 | 2023年10月1日 |
山梨県 | 938円 | 40円 | 2023年10月1日 |
長野県 | 948円 | 40円 | 2023年10月1日 |
岐阜県 | 950円 | 40円 | 2023年10月1日 |
静岡県 | 984円 | 40円 | 2023年10月1日 |
愛知県 | 1027円 | 41円 | 2023年10月1日 |
三重県 | 973円 | 40円 | 2023年10月1日 |
滋賀県 | 967円 | 40円 | 2023年10月1日 |
京都府 | 1008円 | 40円 | 2023年10月6日 |
大阪府 | 1064円 | 41円 | 2023年10月1日 |
兵庫県 | 1001円 | 41円 | 2023年10月1日 |
奈良県 | 936円 | 40円 | 2023年10月1日 |
和歌山県 | 929円 | 40円 | 2023年10月1日 |
鳥取県 | 900円 | 46円 | 2023年10月5日 |
島根県 | 904円 | 47円 | 2023年10月6日 |
岡山県 | 932円 | 40円 | 2023年10月1日 |
広島県 | 970円 | 40円 | 2023年10月1日 |
山口県 | 928円 | 40円 | 2023年10月1日 |
徳島県 | 896円 | 41円 | 2023年10月1日 |
香川県 | 918円 | 40円 | 2023年10月1日 |
愛媛県 | 897円 | 44円 | 2023年10月6日 |
高知県 | 897円 | 44円 | 2023年10月8日 |
福岡県 | 941円 | 41円 | 2023年10月6日 |
佐賀県 | 900円 | 47円 | 2023年10月14日 |
長崎県 | 898円 | 45円 | 2023年10月13日 |
熊本県 | 898円 | 45円 | 2023年10月8日 |
大分県 | 899円 | 45円 | 2023年10月6日 |
宮崎県 | 897円 | 44円 | 2023年10月6日 |
鹿児島県 | 897円 | 44円 | 2023年10月6日 |
沖縄県 | 896円 | 43円 | 2023年10月8日 |
政府は「総合経済対策」の重点分野の一つとして、構造的な賃上げを掲げています。総合経済対策を反映した2022年度(令和4年度)補正予算には、様々な補助金・助成金に賃上げに対する加算などが盛り込まれています。
具体的には次のような対応を取っています。
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。