chocoZAPでステマ 消費者庁、景品表示法違反でRIZAPに措置命令
消費者庁は2024年8月8日、パーソナルジムを手がけるRIZAP(ライザップ)が運営する「chocoZAP」(チョコザップ)について、景品表示法に違反するステマ(ステルスマーケティング)行為や、優良誤認させる「全サービスも24時間使い放題!」と表記があったとして、措置命令を出しました。
消費者庁は2024年8月8日、パーソナルジムを手がけるRIZAP(ライザップ)が運営する「chocoZAP」(チョコザップ)について、景品表示法に違反するステマ(ステルスマーケティング)行為や、優良誤認させる「全サービスも24時間使い放題!」と表記があったとして、措置命令を出しました。
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chocoZAPの公式サイトによると、chocoZAPとは、「RIZAP(ライザップ)」が提供する24時間利用できるジムです。
RIZAPグループの中期経営計画(PDF方式)によると、「スキマ時間」の活用できる世界初の「コンビニジム」を掲げており、ジムだけでなく、健康アドバイス、美容、アミューズメントなどを追加料金なしで利用できる事業モデルで注目されてきました。
さらに、RIZAPの2024年3月期第1四半期決算補足資料(PDF方式)によると、デザインや訴求方法などを変えたチラシを500種類以上、バナー広告を4000種類以上、LP(ランディングページ)を200種類以上作成し、ターゲットとなる運動初心者・シニア・女性により訴求できる勝ちパターンを追求してきました。
2022年7月にスタートしたchocoZAPは、上記の戦略を駆使して拡大を続け、2024年5月に47都道府県に出店を達成。全国で1500店舗、会員数は120万人を突破したといいます。
ただし、急拡大の一方で、ネット上では衛生面やマシンの不備について「ひどい」といった口コミも見られます。
消費者庁は2024年8月、RIZAPに対し「chocoZAP」の店舗で提供するサービスの表示について、景品表示法に違反する行為があったとして、措置命令を出しました。消費者庁が指摘した違反は以下の2つです。
消費者庁が指摘した景品表示法違反の一つ目は「優良誤認表示」です。優良誤認表示とは、商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝することを指します。
具体的には、RIZAPが運営する「chocoZAP」で提供する各サービスについて、「追加料金なしで全サービスも24時間使い放題!」や、「ボディメイクや美容ケアはもちろん、リラクゼーションやワーキングスペースも好きな時にご利用可能です!」などと表示し、1日24時間のうち、いつでも利用できるかのように示していたといいます。
しかし、実際には利用できる時間はセルフホワイトニングで1日5時間、セルフエステ・マッサージチェアは14時間40分と、24時間いつでも利用できる状態にはありませんでした。
消費者庁が指摘した景品表示法違反の二つ目は、サイトの体験談の「ステルスマーケティング」です。
元々はRIZAPがインフルエンサーに対価を払い、「タイアップ投稿」としてInstagramに投稿してもらった内容なのに、自社サイト上でPR表記なしに「なんと完全個室のセルフ脱毛が使い放題 !!←これにかなり惹かれた感ある」などと顧客の声として掲載していました。
消費者庁によると、こうした「声」について一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難であるとしています。
消費者庁が出した措置命令の概要は次の通りです。
RIZAPは公式サイト上で「消費者庁の措置命令についてのご報告とお詫び」を公表。次のようにコメントしています。
「弊社は今回の措置命令を厳粛かつ真摯に受け止め、社員教育のさらなる徹底、掲載前の社内審査など、景品表示法をはじめとするコンプライアンス及び管理体制を強化し、適正な広告表示を遵守し信頼回復に努めてまいります。なお、この度消費者庁に指摘された表示物につきましては、現時点で該当表示を削除、修正しております」
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