目次

  1. 栽培面積を3倍に拡大
  2. 祖父の死をきっかけにUターン
  3. アパレル経験を生かして販路拡大
  4. 農家仲間から教わった経営
  5. NPOで「柑橘ソムリエ」を開始
  6. 「ソムリエ」の活動は関東にも
  7. 半農半漁からの脱却
  8. 農業体験の機会を提供
  9. みかんで故郷を盛り上げる

 宇和海を見下ろす山の斜面に広がるニノファームは、2.5ヘクタールの畑で温州みかんやブラッドオレンジ、ポンカンなど15品種を栽培しています。みかんの収穫量は年間70~80トン。半分をJAに納め、残りは自社サイトを通じて個人客に送っています。

 愛媛のみかんは日当たりの良い山の斜面で栽培され、傾斜のおかげで水はけのよい土が糖度を上げるといいます。中でも宇和島市はみかんの多品種栽培が多いのが特徴です。

 「南予地方(愛媛県南部)はのんびりした人が多いんです。大勢が短期間で一気に収穫するより、家族で半年かけて少しずつ収穫する多品種栽培が、地域の気質に合ったのでしょう」と二宮さんは言います。

 みかんはほとんどの種類が授粉や袋がけといった作業の必要がなく、果物の中でも比較的手間がかからないといいます。だからといって放置しては良いみかんは取れません。

 一つの畑からの収穫量を増やすには、肥料はもちろん木の樹齢や木の間隔を踏まえた植栽本数の影響が大きいといいます。さらに農薬の種類や散布方法、摘果や枝の剪定にも工夫が必要です。また、糖度を0.5度上げればみかん1個の価格も上がるといいます。

 2008年に家業に入った二宮さんは、家族経営にもかかわらず2024年までに畑の規模を3倍、売り上げを約5倍にまで伸ばしました。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。