目次

  1. 30歳で迎えた転機
  2. コロナ禍で決めた事業承継
  3. 修学旅行の問題点を分析
  4. 茨城でお金を落とす循環を
  5. 大手が届かない「職業体験旅」
  6. 固定観念を壊す人材活用
  7. 事業承継の「親子旅」も企画
  8. 少人数で価値の高い旅行体験を

 埼玉県川口市出身の尾崎さんは、大学時代の先輩が旅行会社で生き生きと働く姿に心を打たれ、「自分も思い出作りに関わる仕事がしたい」と思い立ちます。1999年、東急観光に入社し、水戸支店に配属されました。首都圏でバリバリ働く姿を想像していたため「当時は俺の青春を返せと思いました」と苦笑します。

 地図を片手に飛び込み営業の日々が始まりました。「1日30件~50件を回り、お客様に会えても、大手の看板があるだけで自分に実力はないことを痛感しました」

 コツコツとした営業が実を結び、顧客からの紹介も次第に増えたといいます。

尾崎さんは旅行業界一筋のキャリアを歩みました
尾崎さんは旅行業界一筋のキャリアを歩みました

 「自分の人生はこれでいいのか。もっとチャレンジしたい」。30歳のころ、そんな思いが芽生えます。東急観光で短期間一緒に働いた縁で、アーストラベル水戸の創業者・稲葉英二さんから声をかけられたのは、そのころでした。

 アーストラベル水戸は2007年、大手旅行会社出身の稲葉さんが創業し、主に教育旅行や行政・企業からの法人案件を手がけていました。尾崎さんは中小企業への転職に不安もありましたが、「辞めます」と伝えると、取引先からは応援され、温かい門出となりました。

 アーストラベルには業務委託で所属。これまでの顧客との縁もつながり、順調な日々を過ごしました。

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