目次

  1. 型式別料率クラスとは
  2. 軽自動車の型式別料率クラス、2025年1月から拡大
  3. 軽自動車を7クラスと細かく区分した理由
  4. 自動車保険料、2025年1月から値上げも
    1. 損保ジャパン
    2. 東京海上日動
    3. 三井住友海上
    4. イーデザイン損保
    5. ソニー損保
    6. チューリッヒ
    7. セコム損保
    8. 楽天損保

 損害保険料率算出機構の公式サイトによると、乗用や貨物、自家用や事業用など自動車の用途や、普通、小型、軽など自動車の種類、運転者の年齢、過去の事故歴などによって自動車事故の頻度や程度は変わります。

 そのため、自動車保険は保険契約者が負担する保険料がそれぞれのリスクに応じたものとなるように料率区分を設けています。型式別料率クラスもその1つです。

 型式別料率クラスは、自動車保険における自動車ごとのリスクを、1、2、3などのクラス別に設定したものです。自動車保険では、自動車ごとの特性(形状・構造・装備・性能)や、その自動車のユーザー層によって、個々の自動車ごとにリスクに差が見られるため、それを型式単位で評価してクラスを適用し、保険料に反映させています。

 たとえば、自家用乗用車は、クラスを1~17の17クラスに区分しています。保険料はクラス1が最も安く、クラス17が最も高くなっています。ただし、クラスが高い(数字が大きい)からといって、その車が危ない自動車であるということではありません。

 損害保険料率算出機構の公式サイト上で、型式別料率クラス検索ができるようになっています。クラスの見直しは、毎年1月に実施しています。

 2025年1月からの改定で、軽自動車の型式別料率クラスが大きく変わります。

 具体的には、軽自動車の「型式別料率クラス」はこれまで3クラスに区分されていましたが、2025年1月からは、現行のクラス1よりもリスクの低い(保険料の安い)クラスを2つ、現行のクラス3よりもリスクの高い(保険料の高い)クラスを2つ、それぞれ追加して7クラスとします。

 保険料の最も安いクラスと最も高いクラスの保険料率の差は、現行で1.2倍でしたが、改定後は約1.7倍となります。

 2025年1月から、リスク実態と適用しているクラスが見合っている場合には、現行のクラス1~3は、それぞれ改定後のクラス3~5となります。リスクが見合っていない場合には、クラスを移動することになります。

 軽自動車を7クラスに拡大した背景には、軽自動車の普及拡大に伴うユーザー層の多様化や、安全性能の多様化が背景にあります。

 たとえば、損害保険料率算出機構などが、保険データでのリスク実態を踏まえて調べると、現行のもっともリスクの低い「クラス1」の中にはリスクがより低い型式があり、現行のクラス3の中にはリスクがより高い型式が一定台数あることが分かりました。

 自家用軽四輪乗用車の普及に伴うユーザー層の多様化や、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)をはじめとする先進運転支援システム(ADAS)技術の向上による自動車ごとの安全性能の多様化などによって、型式別のリスク実態にも差が見られるようになったためだといいます。

 これとは別に大手損害保険各社は2025年1月から自動車保険料を平均3.5~5%程度上げる予定を明らかにしています。ただし、旧ビッグモーターによる保険金不正請求の影響が出ないように不正請求額はあらかじめ控除したうえでの改定額となっています。

 そのほか、保険会社によってサービスの見直しもあるので注意してください。

 損保ジャパンの公式サイトによると、急激な物価上昇に伴う修理費の増加や自然災害の頻発化・激甚化により、保険金支払いが増加しているため、保険料水準を見直すと発表しています。

 東京海上日動の公式サイト(PDF)は「今後も自動車保険を安定的にご提供し続けるため、東京海上日動では事業費抑制や不正な保険金請求等を防止するための体制強化に取り組むとともに、平均的な保険料水準を約+3.5%引き上げます。なお、ノンフリート等級の進行や車両保険金額の減価等を踏まえた実際にお客様にご負担いただく保険料への影響は、平均的に約+2.5%の引上げです」とアナウンスしています。

 三井住友海上の公式サイトによると、インフレの影響により、車両修理費の高騰が続いていること等を踏まえ、平均的な保険料水準を引き上げます。満期を迎える契約が長期契約(保険期間1年超)の場合、継続時に保険期間中の改定内容がまとめて反映されます。このため、保険料の引上げ幅が大きくなる場合があるといいます。

 イーデザイン損害保険の公式サイトは、保険開始日が2025年1月1日の契約から、総合自動車保険「&e(アンディー)」を対象に、昨今の急激な物価上昇による保険金の支払い状況の変化等を踏まえ、保険料を改定すると発表しています。

 ソニー損保の公式サイトは、補償・割引の改定および物価上昇による修理費の上昇やコロナ禍からの社会経済活動の復調により事故が増加していることを踏まえ、保険料を見直すと発表しました。

 チューリッヒの公式サイト(PDF)は、スーパー自動車保険の改定について案内しています。

 セコム損保の公式サイトによると、物価上昇に伴う保険金単価の上昇、車両高機能化による事故時の修理費増加、自然災害の頻発・激甚化などを理由に、保険料水準を見直すと発表しました。

 楽天損保の公式サイト(PDF)によると、社会環境の変化などにより保険料水準を見直すと発表しました。