大塩和孝

1989年生まれ、株式会社スグル食品・専務取締役で新規事業開拓と人材採用・育成を担当。2012年、大学卒業後RICOHに入社。2015年に家業である株式会社スグル食品に事業承継のために入社。経営大学院でMBAを取得。2018年に家族とともに呉へUターンした。「事業承継者もセカンドキャリアを考えたっていいじゃない」をモットーに2020年、コワーキングスペース「ブシツ」をオープンした。

――小さな頃から「後継ぎ」を意識していましたか?

 全く意識していませんでした。「大人ってみんな社長なんだろう」と思っていたぐらいで、社会人になるまで何を作っているかも知りませんでした。父親から家業の話はなく、家に自社の商品も置いていなくて。おやつはいつも、(他社のお菓子の)おにぎりせんべいでしたし(笑)。

――いつ頃から家業を意識するようになったのでしょう?

 大学を卒業して自分がサラリーマンになるとき、改めて「そういえば父親は経営者をやっていたんだな」と意識するようになりました。

スグル食品グループのロングセラー商品「ビッグカツ」
スグル食品グループのロングセラー商品「ビッグカツ」

父に「間違ってなかった」と思ってほしい

 そして、社会人になって初めて父親とサシ飲みをしたら、父が「自分がもう少し経営を勉強していたら、会社ももっと大きくなっていたのかな」と珍しく弱気なことを言ったんです。

 初めて聞いた弱気な発言でした。これまで「大人は間違わないんだ」と思っていたのに、完璧じゃないんだな、なんとかしてあげたいなと思ったんです。

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