目次

  1. GoogleフォームでWebアンケートの作り方
    1. STEP① 新規のフォームを作成する
    2. STEP② タイトルと説明を入力する
    3. STEP③ 質問を入力する
    4. STEP④ 質問を追加する
    5. STEP⑤ 必須回答を設定する
    6. STEP⑥ プレビューで出来栄えを確認する
    7. STEP⑦ アンケートを公開する
  2. おすすめのWebアンケート作成ツール
    1. Questant
    2. Survey Monkey
    3. Custom Form
  3. Webアンケート作成ツールのメリット
    1. メリット① 簡単に作成できる
    2. メリット② スピーディにリサーチができる
    3. メリット③ アンケート回収率が高い
    4. メリット④ テンプレートが活用できる
  4. Webアンケート作成ツールの選び方
    1. 実施するアンケートの質問数は11問以上か
    2. 想定している回答者数は101人以上か
    3. 結果csvのダウンロードが必要か
    4. テンプレートや質問データベースを活用したいか
  5. Webアンケート作成の注意点
    1. 活用目的を曖昧にしない
    2. 質問数を増やしすぎない
    3. 専門用語・業界用語は避ける
    4. 選択肢で回答する質問は、全員がどれかを選べるようになっている
    5. 回答バイアスに注意する
  6. Webアンケートを活用してデータを経営に活かそう

 Webアンケートを作るときは、基本的に、既存の作成ツールを利用します。

 中でもオススメなのが、Googleフォームです。調査画面の作成と集計が、無料で、かつ簡単に行えます。

 利用するにはGoogleアカウントが必要ですが、普段使っているアカウントがあれば、あらためて登録手続きをする必要はありません。

 Googleフォームを用いたアンケートの作り方を、実際の画面を交えながらご紹介します。

 Googleドライブを立ち上げ、左上の「+新規」のボタンをクリックします。メニューが開くので、「Googleフォーム」を選びます。メニューの中に「Googleフォーム」がない場合は「その他」を選ぶと出てきます。

 このような画面が立ち上がるので、「無題のフォーム」の箇所にアンケートのタイトルを入れます。その下の「フォームの説明」には、挨拶とアンケートの簡単な説明を入れるとよいでしょう。

 「無題の質問」の箇所に、アンケートの質問を入力します。右側の「ラジオボタン」とある所をクリックして回答形式を選びます。回答形式は以下のものがあります。

  • ラジオボタン(回答をひとつだけ選ぶ)
  • チェックボックス(あてはまる回答を複数選ぶ)
  • プルダウン(プルダウン形式で、回答をひとつだけ選ぶ)
  • 均等目盛(満足度など、5段階や7段階で度合いを答える)
  • 選択式/チェックボックス(グリッド)(行と列に分けて複数の質問に答える)
  • 記述式(短文で、自由に記述する)
  • 段落(長文で、自由に記述する)

 回答選択肢は、「オプション1」の欄から入れていきます。選択肢はその下の欄から追加できます。ただし、あまり選択肢が多いと回答しづらくなったり、回答傾向が分散して分析しにくくなることもあります。

 ひとつの質問の作成が終わったら、右上の「+」のボタンにカーソルを合わせると「質問を追加」の文字が現れますので、クリックして質問を追加していきます。この工程を繰り返し、アンケートで聴きたい質問を全て入力します。

 なお、Googleフォームでは、ドラッグ&ドロップで質問の順序を入れ替えたり、選択肢の順序を入れ替えたりできます。修正が簡単にしやすいのも、Googleフォームの特徴です。

 アンケート参加者の全員に必ず回答してもらいたい質問は、右下の「必須」をONにします。

 アンケートの入力が終わったら右上の目のようなボタンをクリックして、「プレビュー」を表示し、アンケートの最終的な見た目を確認しましょう。問題があれば、作成画面に戻って修正します。

 また、「プレビュー」を表示するボタンの横にあるパレットのようなボタンで、アンケート画面の色などをカスタマイズすることも可能です。

 アンケートが完成したら、右上の「送信」ボタンをクリックします。アンケート画面を共有する方法は「メール」「リンク」「Facebook」「Twitter」などから選べます。

 アンケートに回答があれば自動で集計され、リアルタイムで結果を見ることができます。グラフで表示する機能もあり、結果をより簡単に把握することが可能です。

 Googleスプレッドシートと連携しているので、結果をcsvで入手することもできます。

 Webアンケート作成ツールは、Googleフォーム以外にも様々なものがあります。その中で、使いやすく基本的に無料で使えるものをご紹介します(内容は2022年8月時点のものです)。

 ネットリサーチ大手「マクロミル」が提供するアンケートツールで、無料プランと有料プランがあります。豊富なリサーチ実績を元に作成されたアンケートテンプレートが用意されているのが大きなメリットです。

 たとえば「Webサイトに関する評価アンケート」「ブランドイメージに関するアンケート」などのテーマで、あらかじめ質問がセットされているテンプレートがあり、それをベースに自社のアンケートを簡単に作成できます。

 また、有料で、マクロミル社が提携しているリサーチパネルにアンケートを配信もできます。

提供会社 マクロミル
無料プランで出来ること アンケート画面の作成、テンプレートの利用、質問データベースの利用、アンケートURL発行(QRコード対応)、結果リアルタイム集計、グラフ作成
質問数/回答数 10問/100件(有料プランにて制限解除あり)
使いやすさ 直観的な操作でアンケート画面作成が可能 初回にチュートリアルあり
料金 無料プランのほか、通常プラン(年5万円~)、ビジネス(年15万円~)、プレミアム(年30万円~)
特におすすめの企業 頻繁にアンケートを行う
調査の経験が少なく、プロが作ったテンプレートを使いたい
場合によっては有料のサービスで質を上げたい
注意点 データのcsvダウンロードは有料プランのみ

 Questantの公式サイトはこちら。

 アメリカのSurbey Monkey社が提供する、世界中で使われているアンケートツールです。

 世界16の言語に対応しており、もちろん日本語にも対応しています。また、豊富なテンプレートや質問サンプルが用意されているのも特徴で、簡単なアンケートなら数分で作成することが可能です。 

提供会社 Survey Monkey(アメリカ カリフォルニア州)
無料プランで出来ること アンケート画面の作成、テンプレートの利用、質問データベースの利用、URL発行(QRコードも対応)、結果リアルタイム集計、結果ダッシュボード作成&共有
質問数/回答数 10問/100件(有料プランにて制限解除あり)
使いやすさ ◎直観的な操作でアンケート画面作成が可能
料金 無料プランのほか、月額プラン(法人4600円~)あり
おすすめの企業 スピード重視
複数メンバーが共同作業でアンケートの作成・分析を行う
外国人にもアンケートをすることがある
注意点 データのcsvダウンロードは有料プランのみ
単回の有料プランはなし

 Survey Monkeyの公式サイトはこちら。

 ゴーゴーラボが提供するアンケートツールです。

 質問数・回答数は無制限で、結果をcsvでダウンロードすることが可能。また回答者から画像を集める機能も無料で使うことができます。

 このように無料プランでも機能制限が少ないことが特徴である一方で、無料プランでは広告が表示されます。

 また、Custom Formには、アンケートのテンプレートや質問データベースがないため、どのような質問順序にしたらいいのか不安なときは、別のツールも検討したほうがいいでしょう。

提供会社 ゴーゴーラボ
無料プランで出来ること アンケート画面の作成、URL発行、結果リアルタイム集計、結果csvダウンロード
質問数/回答数 制限なし
使いやすさ 〇Web制作の知識がなくてもアンケート作成が可能
料金 無料プランのほか、月額プラン(3300円~)あり
おすすめの企業 大人数を対象にアンケートを行う
アンケートで聴取したい内容がほぼ決まっている
注意点 テンプレートや質問データベースはない
広告を非表示にできるのは有料プランのみ

 Custom Formの公式サイトはこちら。

 アンケート実施にあたってWebアンケート作成ツールを使うことには、以下のようなメリットがあります。

 ツールを使うことでWeb制作の知識がなくても、簡単にアンケート画面の作成ができます。紙のアンケートのように印刷の手間も不要です。

 短時間で画面作成ができるだけでなく、でき上がったらすぐに配信し、回答があればリアルタイムで結果を見ることができます。

 Webアンケート作成ツールは、PCとスマホ、どちらであっても答えやすい画面を表示できるものがほとんどです。回答者が手軽に答えられるようになっているため、多くのアンケートを集められます。

 また、ツールによっては、紙ベースのアンケートで起こりやすい回答モレを防ぐ機能を搭載し、さらに高いアンケート回収率を実現しているものもあります。

 アンケートに不慣れな場合、そもそもどんな質問をすればいいか、どんな言葉で聞くべきか迷うこともあるでしょう。

 一部のWebアンケート作成ツールにはテンプレートが用意されています。それを活用すれば、労力をかけずにプロフェッショナルな調査票を作ることが可能です。

 Webアンケート作成ツールには、Googleフォームとリサーチ会社が提供するツール、システム系会社が提供するツールとに大きくわかれます。

 また、それぞれに無料プランと有料プランがあります。

 各Webアンケート作成ツールごとに良さがあるため、自社に適した作成ツールを選ぶのは難しいかもしれません。

 もしどれがいいのか迷われているときは、各ツールの特徴を把握したうえで、自社が次のポイントに当てはまるかどうか見てみてください。

  1. 実施するアンケートの質問数は11問以上か
  2. 想定している回答者数は101人以上か
  3. 結果csvのダウンロードが必要か
  4. テンプレートや質問データベースを活用したいか

 リサーチ会社が提供しているWebアンケート作成ツールの無料プランは、「1つのアンケートにつき質問は10問以内」という制限があるものがほとんどです。

 それより多く質問したい、かつ無料で利用したいときは、質問数制限のないGoogleフォームやCustom Formの利用がオススメです(ただし、Custom Formの無料プランでは広告が表示されます)。

 想定している回答者数が100人よりも多い場合で、かつ無料で済ませたいときも注意が必要です。

 リサーチ会社のWebアンケート作成ツールの無料プランによっては、100人に制限されていることがあります。

 一方、質問数と同様、GoogleフォームやCustom Formには制限がありません。

 Googleフォームであれば、結果データをcsvでダウンロード可能です。

 リサーチ会社のWebアンケート作成ツールの場合、画面上での集計・閲覧・加工は可能ですが、csvダウンロードは有料プランのみのサービスとなることも多いので注意しましょう。

 リサーチ会社が提供するWebアンケート作成ツールには、テンプレートや質問データベースが用意されています。

 適切な質問順序がわからない、誘導にならない聴き方で実施したいなどのときは、GoogleフォームやCustom Formではなく、そうしたツールを選んだほうがうまくいく可能性があります。

 アンケート作成時には、いくつか注意点があります。不適切な質問の聴き方をすると、回答が歪み、かえって事業をミスリードすることにつながりません。

 アンケートでは、活用目的によって聴くべき相手が変わり、それによって適切な質問の仕方や内容も変わります。

 いきなりどんな質問にしようかと考えるのではなく、まずは結果を何に活用したいのか、それを実現させるためには誰に聴くのがふさわしいのか、整理することが大事です。

1.アンケート結果の主な活用例

 よくあるアンケート活用事例の例を挙げます。

  • 次期商品開発のために、現在の商品やサービスの改良すべき点があるかを知る
  • 新規のお客様を開拓するために、ニーズを把握する
  • キャンペーンなどの効果を把握して、次の施策の企画に活かす
  • 今後発売する商品のデザインやネーミングを決める

2.アンケート対象者の主な例

 整理した目的に沿って、回答してもらいたい人を決めます。例えば以下のような例があります。

  • 既に商品やサービスを購入した自社の顧客
  • セミナー等に参加してくれた将来の見込み顧客
  • まだ商品やサービスを知らない潜在顧客

 質問数があまりに多いと、回答するのが面倒になり、いい加減な回答をされてしまいやすくなります。また途中で脱落する人も出て、回収率が下がります。

 同時に、その結果は「最後まで根気よく答えた人」に限定されたものになってしまいます。

 Webアンケートの回答者は、質問文や選択肢の意味がわからなくても、尋ねることができません。専門用語・業界用語は使わず、一般的な言葉に置き換えてわかりやすくします。

 アンケートではときどき、回答者が「どの選択肢も自分の意見とは違うから選べない……」となってしまう質問があります。

 こうした質問に出くわした場合、どれでもいいと何も考えずに選び、次の質問に進む回答者がほとんどです。

 アンケートの結果をもって顧客を理解するためには、どんな回答が来るのかを想定し、網羅する形で選択肢を用意する必要があります。その上で、「その他」または「どれもあてはまらない」などの選択肢を入れるといいでしょう。

 回答者の先入観や、質問の仕方などによって回答が偏ってしまうことをバイアスと言います。アンケートでよくあるバイアスには次のような種類があります。

  • 質問の聞き方が誘導的で、回答の傾向が偏ってしまう
  • 前の質問の影響で、次の質問に対する回答が誘導されてしまう
  • 回答者の本心とは違っても、一般に望ましいだろうと思われることが回答されてしまう

 事業の新たな可能性を探るためには、顧客、あるいは社員と対話して実態や意識を把握することがとても大事です。Webアンケート作成ツールは、それを効率的に行えるようサポートしてくれます。

 しかしアンケートにおいて大切なことは、アンケートの目的を整理し、結果をどう事業判断に活かすのかをあらかじめよく検討することです。

 それがないままにとりあえず作成したアンケートでは、結果が出ても放っておかれてしまうことになりかねません。

 記事で紹介した注意点を参考にしながら、ツールをうまく活用して、Webアンケートを事業活動に上手に取り込んでいただければ幸いです。