【図解】ラーメン店の利益構造 売上高が月240万円でも利益は60万円
青森県八戸市で1日平均100人を超える来客のあったラーメン店「ドラゴンラーメン」が2022年10月閉店しました。人気メニューは、税込780円のトマニボ(煮干スープとトマトスープをあわせたオリジナル商品)。ただし、月約240万円を売り上げても手元に残るのは、約60万円だったといいます。ラーメン店はどんな利益構造なのでしょうか?
青森県八戸市で1日平均100人を超える来客のあったラーメン店「ドラゴンラーメン」が2022年10月閉店しました。人気メニューは、税込780円のトマニボ(煮干スープとトマトスープをあわせたオリジナル商品)。ただし、月約240万円を売り上げても手元に残るのは、約60万円だったといいます。ラーメン店はどんな利益構造なのでしょうか?
ドラゴンラーメンは2020年10月、青森県八戸市に開店しましたが、2022年10月閉店。最終月には1日平均100人を超える来客がありました。
店主の石動龍さんは閉店した理由として、原材料費・光熱費の値上げのほか、人手不足やインターネット上での口コミなどがあったといいます。
それでは人気ラーメン店の利益構造について紹介します。中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」の業種別開業ガイドをもとにラーメン店の粗利率を調べると、参考数字として66%と紹介しています。
ラーメンの売価から原材料費などを引いた額が粗利になります。ドラゴンラーメンの人気メニュー「トマニボ(煮干スープとトマトスープをあわせたオリジナル商品)」は、税込780円でした。粗利率を60~70%とすると、粗利額は一杯あたり400~500円ほどになります。高く感じられますが、ここから販売コストや事務所の賃借料が引かれることになります。
1ヵ月の収入で考えてみましょう。ドラゴンラーメンの場合はかなり人気店になったため、売上高は税抜で約240万円でした。
しかし、食材原価が約70万円、人件費が約70万円、家賃や光熱水費、消耗品などが約40万円かかります。店主の手元に残ったのは60万円ほどでした。
飲食業は、参入障壁が低く始めやすい一方で、競合するお店が多くて固定費もカットしにくく継続が難しいという特徴があります。売り上げの予測とコスト管理、利益確保には、財務諸表(決算書)の理解が欠かせません。
そこで、ラーメン店の経営事例をもとに公認会計士が、連載「ラーメン店経営からわかる決算書」で解説します。
濃厚煮干ラーメン
地元アーティストに依頼したラーメンアート。描かれているのは看板メニューの「トマニボ(煮干スープとトマトスープをあわせたオリジナル商品)」
トマニボ(煮干スープとトマトスープをあわせたオリジナル商品)、税込780円
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