目次

  1. 電気・ガス料金の激変緩和措置とは
  2. 電気代の補助は8・9月で1kWhあたり4円
  3. ガソリン補助金とは 首相は年内継続方針を公表
  4. 秋には低所得者向け給付金・地方経済向け交付金も

 資源エネルギー庁の特設サイトによると、電気・ガス料金の激変緩和措置とは、ロシアによるウクライナ侵略等の世界情勢を背景とした世界的な燃料価格の高騰に対し、電気・ガス料金単価から一定の額を値引きすることで、皆様による手続きなく、直接的に料金負担を軽減する支援策です。

 2024年5月使用分の電気料金の値引き単価は、低圧で1.8円/kWh、高圧で0.9円/kWhでした。都市ガスは家庭及び年間契約量1000万㎥未満の企業等が対象で、値引き単価は7.5円/㎥でした。

8月から3ヵ月間の補助再開へ

 5月使用分を最後に終了した電気・ガス料金の一部補助について、岸田首相は2024年6月21日の記者会見で、8月から3ヵ月間「酷暑乗り切り緊急支援」と名付けて再開すると発表しました。

 首相官邸の公式サイトに掲載された発言によると、与党との調整前に決めたとみられます。

 「酷暑、暑い夏を乗り切るための緊急支援、酷暑乗り切り緊急支援として、8月・9月・10月分、3ヵ月について、電気・ガス料金補助を行います。いずれも、具体的な内容について、早急に与党と調整いたします。これらの措置による、年末までの消費者物価の押し下げ効果を、措置がなかった場合と比べ、月平均0.5%ポイント以上とするべく、検討してまいります」

 斎藤経産相の会見によると、家庭向け電気料金の負担軽減策について、8~9月使用分の補助額を1kWhあたり4.0円(高圧は2.0円/kWh)、10月は2.5円(高圧1.3円/kWh)にします。

 都市ガスは家庭及び年間契約量1000万㎥未満の企業等が対象で、8~9月で1㎥あたり17.5円、10月で10円となる見込みです。

 ガソリン補助金とは、原油価格高騰が生活や経済活動に出る影響を最小化するための激変緩和措置として、全国平均ガソリン価格が一定価格以上になった場合、燃料油元売りに補助金を支給する補助金のことです。

 こちらについても岸田首相は「ガソリンや電気・ガスへの補助金は、脱炭素の流れに逆行することもあり、いつまでも続けるべきものではありませんが」と話しつつも、年内に限り継続する方針を明らかにしました。

 さらに岸田首相は記者会見のなかで、こうしたエネルギー対策は「第一弾」であるとして、

 物価水準が高止まるなか、2024年秋にも、年金(生活)世帯や価格転嫁を進められない中小企業向けに第二段の経済対策を立てる方針を明らかにしました。会見で次のように発言しています。

 「第二段の対策として、年金(生活)世帯や低所得者、地方経済に焦点を絞って、思い切った検討をしてまいります。具体的には、物価高の中で食費の高騰などに苦しんでおられる年金(生活)世帯や低所得者世帯を対象として、追加の給付金で支援することを検討いたします。

 さらに、学校給食費等の保護者負担の軽減、飼料高騰などの影響を受ける酪農経営などの農林水産業、そして中小企業、医療・介護、保育、学校施設、公衆浴場、地域公共交通、そして物流、地域観光業等に対する物価高騰への幅広い支援を、(物価高騰対応)重点支援地方(創生臨時)交付金の拡充により、きめ細かく講ずることを検討してまいります」

 ただし、具体的な政策については、明らかにはなりませんでした。