ガソリン補助金とは 9月から拡充し10月にはガソリン価格を175円程度へ
杉本崇
(最終更新:)
グラフは、経済産業省の特設ページから(https://nenryo-gekihenkanwa.jp/)
ガソリン補助金とは、原油価格高騰が生活や経済活動に出る影響を最小化するための激変緩和措置として、全国平均ガソリン価格が一定価格以上になった場合、燃料油元売りに補助金を支給する補助金のことです。経済産業省は2023年6月から段階的に縮小し9月末で終了する予定でしたが、ガソリン価格の高騰が続いているため、政府は新たに9月7日から段階的に拡充しています。10月中にレギュラーガソリンの販売価格が全国平均で1リットルあたり175円程度となるよう調整する予定です。
レギュラーガソリン価格の推移
経済産業省によると、9月19日時点のレギュラーガソリン1リットルあたりの全国平均価格は、前週から2.8円下がり182.0円。政府の補助金拡充により2週連続で下落しました。
直近の補助金は1リットルあたり26.1円でしたが、9月21~27日は30.5円まで増えました。この影響で価格が抑えられました。
ガソリン補助金とは
ガソリン補助金とは、コロナ禍で高騰している原油価格が経済回復の重荷にならないことを目的に、石油元売・輸入事業者に価格上昇を抑える原資を支給して、ガソリンなどの小売価格の急騰を抑えることをねらった燃料油価格激変緩和事業の一環です。
グラフは、経済産業省の特設ページから(https://nenryo-gekihenkanwa.jp/)
ガソリン補助金の推移
ガソリン補助金は、全国平均ガソリン価格が1リットル170円以上になった場合、燃料油元売りに補助金を支給する仕組みでした。
支給開始の基準は、2022年4月28日からは168円程度となり、上限を1リットルあたり35円に拡充しましたが、その後は段階的に下げていき、2023年5月は25円となりました。上限を超過した分への1/2支援は維持してきました。
⽀給対象期間 |
2022年1⽉27⽇〜3⽉9⽇ |
3⽉10⽇〜4⽉27⽇ |
4⽉28⽇〜12⽉末 |
2023年1⽉〜 |
補助上限額 |
5円 |
25円 |
35円。超過分には1/2を⽀援 |
1~5⽉は補助上限額をゆるやかに調整。6⽉からは段階的に下げる |
基準価格 |
170円(4週ごとに1円切り上げ) |
172円 |
168円 |
対象油種 |
ガソリン、軽油、灯油、重油 |
ガソリン、軽油、灯油、重油、航空機燃料 |
ガソリン補助金、いつからいつまで?
ガソリン補助金は、2022年1月24日調査時点のレギュラーガソリンの全国平均が170.2円となり、補助金の支給が始まりました。
政府は2023年6⽉以降、「補助を段階的に縮減する一方、高騰リスクへの備えを強化する」ことを閣議決定しました。具体的には、補助額25円以下の部分への補助率を引き下げていく⼀⽅、補助額25円超の部分に対する補助率を引き上げていきました。
しかし、ガソリン価格が高騰しているため、岸田首相は、9月7日から新たな抑制策を発動し、10月中にはロシアのウクライナ侵略直後と同水準の175円程度まで抑制することを公表しました。補助は2023年末まで続けられる見通しです。
ガソリン価格、いつ下がる?年末近くとの予想も
ガソリン補助金の補助率の引き下げが始まって以降は、レギュラーガソリンの全国平均価格が上昇を続けてきました。今後について、日本総研の原油市場展望(8月号)は「産油国の消極的な供給姿勢を背景に、年後半の世界の原油需給バランスは需要超過となる見込み。原油価格には上昇圧力が生じやすい状況に。もっとも、年末近くには、OPECプラスは減産スタンスを軟化させると予想」とのコメントを出しています。
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この記事を書いた人
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杉本崇
ツギノジダイ編集長
1980年、大阪府東大阪市生まれ。2004年朝日新聞社に記者として入社。医療や災害、科学技術・AI、環境分野、エネルギーを中心に取材。町工場の工場長を父に持ち、ライフワークとして数々の中小企業も取材を続けてきた。
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