目次

  1. 施設園芸等燃料価格高騰対策とは 省エネ化の計画が必要
  2. 施設園芸等燃料価格高騰対策には2つの事業

 燃料価格は、為替や国際的な商品市況等の影響で大きく変動するため、今後の価格の見通しを立てることが困難な費用です。一方で、施設園芸と茶業は、冬期加温や茶の加工等に燃料を使用し、経営費に占める燃料費の割合が高いのも事実です。

 農水省の公式サイトによると、施設園芸等燃料価格高騰対策の目的は、燃料価格高騰の影響を受けにくい経営への転換を目指して、3年間で燃料使用量の15%以上削減する省エネ目標と、目標達成に向けた取組を設定した事業者に対し、A重油、灯油、LPガス(プロパンガス)、LNG(都市ガス)といった燃料価格が高騰した時に補塡金を交付する事業です。

 政策目標として、2025年度までに施設園芸等の主要な産地におけるA重油等の使用量を15%削減することを掲げています。

 施設園芸等燃料価格高騰対策には施設園芸向けと茶業向けの2つの事業が含まれています。2024事業年度を例に紹介します。

 いずれも支援対象となるのは、事業参加者が3戸以上または農業従事者5人以上で構成する農業者団体等となります。

 支援対象者は、セーフティネットの積立水準と燃料購入数量を設定して補填積立金を納入(国と生産者が1:1で積立)しておき、燃料価格が一定価格を超えたときに補填される仕組みとなっています。

施設園芸セーフティネット構築事業

施設園芸等燃料価格高騰対策
施設園芸等燃料価格高騰対策(農水省の公式サイトから https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/nenyu/nenyu_taisaku1.html)

 施設園芸の省エネルギー等対策に計画的に取り組む産地において、燃料価格の急上昇が経営に及ぼす影響を緩和するため、燃料価格の高騰時に補てん金を交付するための資金の造成に対し支援します。

 当月の気温が平年気温を下回った場合、段階的に補填対象数量を引き上げる「低温特例措置」や燃料価格が、前年加温期間の平均価格より11%以上高騰し、かつ、7中5平均の価格を上回った場合、補填対象数量を引き上げる「急騰特例措置」も設けられています。

 活用するには、省エネルギー等対策推進計画をつくる必要があります。

 1期を3年とし、施設園芸セーフティネット構築事業なら3年間で燃料使用量の15%以上削減する省エネ目標と、目標達成に向けた取組を設定する必要があります。

 初めて取り組む場合は3年間で10a当たり燃料使用量を15%以上削減、2期目以降に継続して取り組む場合は、3年間で10a当たり燃料使用量を更に15%削減するほか、単位生産量(額)当たり燃料使用量を15%以上削減する目標(収量増で達成可能)を立て、計30%以上の省エネに取り組んでください。

茶セーフティネット構築事業

施設園芸等燃料価格高騰対策のうち茶セーフティネット構築事業のポイント
施設園芸等燃料価格高騰対策のうち茶セーフティネット構築事業のポイント

 茶の省エネルギー等対策に計画的に取り組む産地において、燃料価格の急上昇が経営に及ぼす影響を緩和するため、燃料価格の高騰時に補填金を交付するための資金の造成に対し支援します。茶セーフティネット構築事業にも急騰特例が設けられています。

茶セーフティネット構築事業(燃料価格高騰対策)の仕組み
茶セーフティネット構築事業(燃料価格高騰対策)の仕組み

 活用するには、省エネルギー等対策推進計画をつくる必要があります。

 1工場当たりの燃料使用量を3年間で15%以上削減する目標と、目標達成に向けた取組を設定する必要があります。2期目も取り組む場合は、1工場当たり燃料使用量をさらに15%以上削減するほか、1kg当たり燃料使用量の15%以上削減する目標に取り組んでください。