目次

  1. 社長兼レスラーのメリット
  2. 逆境で社員とのつながりを強化
  3. 「期待しているからね」と伝える

 アントニオ猪木さんが創設した新日本プロレスは現在、大手カードゲーム会社ブシロードのグループ企業で、社員約80人、所属レスラー約50人を抱える国内最大規模のプロレス団体です。2019年には売上54億円を記録。コロナ禍で業績が落ちましたが、2023年には52億円まで回復しました。

 棚橋さんは1999年、新日本プロレスに入門し、華麗な技と巧みなマイクパフォーマンスで団体を引っ張りました。その実績が買われ、2023年末から、レスラー兼任で新社長に就任しました。

 社長就任後、現役プロレスラーとして試合や練習をこなしながら、平日は午前10時から午後6時まで、オフィスなどで社長業を務めています。「朝礼を行い、取締役や各部署の会議に出席し、承認作業も行っています。オフィスの各部署を渡り鳥のように歩いて、社員とコミュニケーションを取っています」

 社長になって特に重視しているのが、毎日の朝礼です。

 「朝礼で、新日本プロレスという会社の大きな目的や、社員のやる気を爆上げするパワーある言葉を発することができたら、その日の仕事の効率が上がると思うんです。会社に着くまでの間に、朝礼で話す言葉を考えるようにしています。ダジャレを言って滑ってしまい、練習と違う汗が出たのですが、オフィス内の雰囲気は結果的に明るくなりました(笑)。これからも朝礼に力を入れたいし、そこにフォーカスできるのは1年目の社長だからだと思います」

 各部署の社員とコミュニケーションを取りながら、レスラーと社員との橋渡し役も務めています。

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