目次

  1. 日米関税交渉とは
  2. 日米首脳会談後の石破総理発言
  3. 日米関税交渉、今後の見通し

 日米関税交渉は、アメリカのトランプ政権が日本に対して追加関税や相互関税を課すことに対し、石破政権が関税の包括的な見直しを求めて交渉している状況を指します。記事「トランプ関税の日米交渉 赤沢亮正大臣がトランプ大統領との会談後に発言」によると、石破政権は赤沢亮正経済再生担当大臣を担当閣僚に任命し、日本時間の2025年4月17日から複数回にわたり渡米し、交渉を続けてきました。

 石破政権は関税の撤廃に産業協力などを組み込んだ「パッケージ合意」を目指し、G7での日米首脳会談で一定の合意を目指し、話し合いを続けてきました。

 現地時間で2025年6月16日午後1時から、カナダでG7首脳会議に出席中の石破総理はトランプ大統領と約30分間にわたり日米首脳会談を行いました。

 首相官邸の公式サイトによると、現地での記者との主なやりとりは以下の通りです。

――関税措置を巡っては今回の首脳会談で一定の合意を得ることを視野に交渉を重ねてきたと思うが、総理御自身、今回の会談での進展や成果をどのように捉えているか。また、今後の協議も閣僚で進めるということだが、いつ頃の合意を目指して、どのようなスケジュール感で進める考えか。

 これまで日本・アメリカ双方が、本当に真摯な議論を精力的に続けました。ぎりぎりまで交渉の可能性を探ってきておるところであります。今なお双方の認識は一致していない、そういう点が残っておりますので、パッケージ全体としての合意には至っておりません。このような中で、本日の大統領との間でも率直な意見交換を行い、担当閣僚に対して更に協議を進めるように指示をしたということで一致をみたものでございます。我々といたしましては引き続き、日本国の国益を守りながら、日米双方にとって利益となる合意ができますように、それが実現しますように、日米間で精力的に調整を進めていくものであります。

 時期についてでありますけれども、双方相手のあることでございますので、我が国の国益を守る必要があると、これを守り抜かねばならないということでありますから、いつまでにということを申し上げることは困難でございます。そういうことです。

――一致しなかった点というのは具体的にどの点か。
 それは申し上げられません。

――90日間の期間延長して一時停止しているが、それについて更なる延長の可能性について。
 そのことについても、これは申し上げられません。

――今回の首脳会談を受けて、交渉の進展について手応えは。
 これは交渉というのは、いつもパッケージという言葉を使っております。最後の一瞬までわからないということを申し上げております。ですから、それがパッケージとして、本当にできたねというたことが全てでありますので、どこまで進展したとか、そういうことは最後の最後まで申し上げるべきものではないと思っております。

――今後の課題について。
 それは両方の国益が本当に実現するということでパッケージができるかどうかということです。本当に互いの国益が実現するかどうか。我が国にとって、例えて言えば、自動車というのは本当に大きな国益であります。こういうことの国益を守り抜くために、我々として最善の努力を重ねるということに尽きます。

――在日米軍の駐留経費や対日貿易赤字なの話題は出ているか。
 そういう話題は、今日は出ておりません。

 日米関税交渉の焦点の一つが、日本の主要な輸出品目の一つである自動車への関税です。トランプ政権は2025年4月、日本を含むすべての国や地域から輸入される自動車に25%の追加関税を課す措置を発動しました、6月に入ると、トランプ大統領は追加の関税率を25%からさらに引き上げる可能性に言及しました。

 一方の日本は自動車関税の撤廃を目指しており、意見の隔たりはなお解消されていません。トランプ政権のベッセント財務長官は、7月9日とする相互関税の上乗せ税率の停止期限の延長についても言及しており、最終的な合意にはまだしばらく時間がかかる見通しです。