目次

  1. 日米交渉めぐりトランプ大統領がSNSに投稿
  2. トランプ関税をめぐる日米交渉 赤沢大臣が説明
  3. 赤沢大臣のおもな一問一答
    1. 日米交渉の受け止め
    2. 大統領のねらいについて
    3. 関税・非関税障壁についての言及
    4. 為替・安全保障について
    5. 今月中の協議は相互関税・自動車関税の撤回を前提としたものか
    6. 早期合意とは90日間の相互関税の停止中に終わりたいのか
    7. 石破総理のメッセージと米側の受け止め
    8. 日本の円安をどのように見ているのか
  4. 石破首相「最も望ましい時期に訪米をしたい」

 トランプ大統領は、関税をめぐる日米交渉にあたり、SNSに次のような投稿をしました。

 「日本との協議が本日行われます。テーマは関税、駐留経費、そして『貿易の公正性』です。財務長官および商務長官とともに会議に出席します。日米両国にとって良い(すばらしい)結果が得られることを願っています」

 「大変光栄なことに、貿易に関する日本代表団とお会いしました。大きな進展がありました!」

 トランプ氏と赤沢大臣との会談には、ほかに、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、米通商代表部のグリア代表が同席したといいます。

 赤沢大臣の冒頭発言は以下の通りです。

 「私からは総理のメッセージとして、日米双方の経済が強くなるような包括的な合意を可能な限り早期に実現したいとの考えを伝えました。トランプ大統領からは国際経済において、米国が現在置かれている状況について率直な認識が示されました。また、米国の関税措置についてもですね、率直に述べられつつ、日本との協議が最優先であるというご発言がありました。

 その上で、両政府間で協議を続けていくことを確認したところです。その後の日米協議ではですね、私から米国の関税措置は極めて遺憾であるということを申し上げ、我が国の産業や日米両国における投資雇用の拡大に与える影響などについて我が国の考えを説明した上で、米国による一連の関税措置の見直しを強く申し入れたところです。今般の協議の結果、日米間で以下の点について一致をいたしました」

  1. 双方が率直に、かつ、建設的な姿勢で協議に臨み、可能な限り早期に合意し、首脳間で発表できるよう目指す
  2. 次回の協議を今月中(4月中)に実施するべく日程調整をする
  3. そ閣僚レベルに加え、事務レベルでの協議も継続する

 「今回の協議も踏まえつつ、引き続き政府一丸となって最優先かつ、全力で取り組んでまいりたいと思います」

 冒頭発言後の赤沢大臣との一問一答は以下の通りです。

 「トランプ大統領が私と会ってくださったことは、大変ありがたいことだと思います。端的に言えば、(私が)格下の格下であり、出てきて直接話をしてくださったことは、本当に感謝しています」

 「大統領が体現されているメッセージは、70ヵ国、100ヵ国が列をなしているところにすべて出られるわけはありませんので日本との協議が最優先であるということを体現されていることが一つだと思います。そうおっしゃっていませんけれども急げというメッセージも込められていらっしゃるんだろうなあと思いましたし、大事だと思う仕事はリーダーシップを発揮すると受け止めました」

 「そこはですね、本当に米側が何を考えているか如実にわかってしまう話なので、差し控えさせていただきたいという風に思います」

 「はい、この言い方をするとわかっちゃう。為替については出ませんでした、以上です」

 安全保障については、との追加質問には「為替については出ませんでした、以上です」と答えました。

 「私自身が自動車、鉄鋼、アルミ、相互関税含めて見直しを強く申し入れてみます。きょう申し上げられるのはそこだと思います。

 何が話題になるのか、テーブルに乗るのかというのは我々からは差し控えさせていただきますが、大統領は本当に温かい配慮の方で、格下と会っていることを感じさせない。大統領の配慮は強く感じた。きょう大統領はこれをやるのだと強くおっしゃったことはまったくないと理解しています。

 自分のお考えをしっかり述べられて、端的に言えば、日本が協議最優先だということを言い、コミットメント、この協議には間違いなくリーダーシップを発揮されていますし、そのうえで閣僚同士で詰めろというお話だと思います。(関税については)お話を続けましょうと、そういうことだと理解しています」

 「米国はこの90日間でディールを成り立たせようというお考えをもっているだろうと私は理解しています。我々からすれば、交渉事で相手のあることなので、交渉の進展はまったくわかりませんので何か現時点申し上げられることはあるとは思いません」

 「総理のメッセージとして日米双方の経済が強くなるような、包括的な合意を可能な限り早期に実現したいという総理の考えをお伝えしたところであります。それに対してトランプ大統領からは国際経済で米国が置かれている状況について率直な認識を示されたということがありますし、米国の関税措置に率直に説明をいただき、日本との協議が最優先であるとのご発言があったわけです。その場で関係閣僚とよく話してくださいという感じだったんで、両政府間で協議を続けていくことが確認された次第です」

 「為替についていうと、ファンダメンタルズを反映して決まるので、私が不測の影響を与えようとは思いませんのでとくにコメントすることはまずないんですね。きょう話題出なかったのは、2月7日の日米首脳会談でベッセント財務長官と加藤財務大臣で議論するものであると記者会見で明らかにされているので、先方はよく理解されているということではないかと思います。

 為替について投機的な動きがあれば政府の判断で行動することはあるのはあったわけですが、それを離れてすることはあるわけではありません。もちろん円安誘導やった覚えはないので、いまの確立されている枠組みのなかで今後も進むことであります」

 首相官邸の公式サイトによると、石破首相は赤沢大臣の日米関税交渉の報告と受けたうえで、今後の首脳会談について「赤澤大臣が帰国をして、また、直接報告を受け、あるいは政府全体で議論をした上で、最も望ましい時期に訪米をしたいということしか今のところ申し上げることはできません」として、具体的なスケジュールの明言は避けました。