目次

  1. 野菜の生育状況及び価格見通し、農水省が発信
  2. 2025年8月の野菜の生育状況と価格見通し

 農水省の公式サイトによると、天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、産地の出荷判断と消費者の購買行動の最適化を促し、野菜の供給及び価格の安定に寄与することを目的として、2011年から、主産地、卸売会社等からの聞き取りをもとに、農水省が野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信しています。

 2025年8月は、きゅうり、トマト、ピーマン、だいこん、にんじん、ほうれんそう、なす(8月後半)、ばれいしょ(8月後半)、ブロッコリーがやや高値傾向で推移することが見込まれます。それぞれの野菜の生育状況を見ていると、高温や干ばつの影響を受けている作物があることがわかります。

 一方で、はくさい、キャベツ(8月前半)、レタス(8月前半)の価格は平年を下回って推移し、キャベツ(8月後半)、ねぎ、レタス(8月後半)、なす(8月前半)、ばれいしょ(8月前半)、さといも、たまねぎの価格は平年並みとなる見込みです。

 「平年並み」とは、平年(過去5ヵ年平均)との比率が概ね90%以上、110%以下であることを示しています。

品目 今後の生育及び出荷見通し 8月の価格見通し
(平年比)
だいこん 主産地において、高温、干ばつの影響により生育不良等がみられ、8月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。 やや平年を上回って推移
にんじん 青森県産主体の出荷から、北海道産主体の出荷へと切り替わる。
北海道産は3月の低温、4月から5月の曇天、5月以降の高温、干ばつの影響により、細物傾向となっている。8月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
やや平年を上回って推移
はくさい 長野県産は気温高、適度な降雨の影響により、生育は順調。8月の出荷数量はやや平年を上回り、価格は平年を下回って推移する見込み。 平年を下回って推移
キャベツ 群馬県産は気温高、適度な降雨の影響により生育は順調であり、大玉傾向になっているため、8月の出荷数量は平年を上回って推移する見込み。岩手県産は高温、干ばつの影響により生育不良等がみられ、月後半にかけて出荷数量が少なくなる見込み。
全体として、8月前半の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移し、8月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
<8月前半>
平年を下回って推移

<8月後半>
平年並みで推移
ほうれんそう 主産地において、高温、干ばつの影響により生育不良等がみられており、8月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。 やや平年を上回って推移
ねぎ 茨城県産・秋田県産・北海道産は干ばつ傾向であるものの、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。青森県産は高温、干ばつの影響により生育遅延、生育不良がみられ、8月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。
全体として、8月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
平年並みで推移
レタス 長野県産は気温高、適度な降雨の影響により生育は順調であり、大玉傾向になっているため、8月の出荷数量は平年を上回って推移する見込み。群馬県産は高温、干ばつの影響により生育不良等がみられる。
全体として、8月前半の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移し、8月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
<8月前半>
平年を下回って推移

<8月後半>
平年並みで推移
きゅうり 主産地において、生育初期の低温、曇天の影響により生育不良等がみられている。秋田県産はやや回復傾向にあるものの、福島県産・岩手県産はその後の高温、干ばつの影響もみられ、8月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。 やや平年を上回って推移
なす 群馬県産の生育は概ね順調。茨城県産・栃木県産は高温、干ばつの影響により生育不良等がみられる。
全体として、8月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移し、8月後半の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
<8月前半>
平年並みで推移

<8月後半>
やや平年を上回って推移
トマト 主産地において、高温の影響により生育不良等がみられており、8月の出荷数量は平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。 やや平年を上回って推移
ピーマン 岩手県産は生育初期の低温、曇天に加え、高温、干ばつの影響により生育不良等がみられている。茨城県産・福島県産も高温、干ばつの影響により生育不良等がみられている。
全体として、8月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
やや平年を上回って推移
ばれいしょ 北海道産主体の出荷。
高温、干ばつの影響により生育が停滞しており、小玉傾向となっている。北海道産の出荷開始により、8月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移し、8月後半の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
<8月前半>
平年並みで推移

<8月後半>
やや平年を上回って推移
さといも 宮崎県産・鹿児島県産主体の出荷から、千葉県産の出荷へと切り替わる。
千葉県産の生育は概ね順調。8月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
平年並みで推移
たまねぎ 北海道産・兵庫県産主体の出荷。
北海道産の生育は概ね順調。兵庫県産は収穫・貯蔵が完了しており、平年より残量が多い。
全体として、8月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
平年並みで推移
ブロッコリー 北海道産・長野県産主体の出荷。
北海道産は高温、干ばつの影響により生育不良等が見られている。長野県産の生育は順調。
全体として、8月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
やや平年を上回って推移