目次

  1. 国産野菜シェア奪還プロジェクトとは
  2. 国産野菜サプライチェーン連携強化緊急対策事業
  3. 産地生産基盤パワーアップ事業
  4. 新基本計画実装・農業構造転換支援事業

 農水省の公式サイトによると、日本で消費される野菜は、約6割が加工・業務用であり、そのうちの3割程度が輸入に占められている状況にあります。

 国産野菜の活用拡大のカギとなるのは安定した供給・品質等のため、生産、供給に関わる事業者が結びついたサプライチェーンを構築し、具体的な取組を進めていくために「国産野菜シェア奪還プロジェクト推進協議会」が立ち上げられています。

 こうした活動を後押しするため、農水省は政府の2024年度補正予算案に複数の支援策を計上しました。

 その一つが、国産野菜サプライチェーン連携強化緊急対策事業です。政府の2024年度補正予算案に6.3億円が盛り込まれました。

 現状では、国産が品薄になる時期に外国産が多く輸入されているため、周年安定供給体制の構築が課題となっています。そこで、産地の多様化、冷凍等の保存技術の活用などにより安定した供給ができる仕組みを目指します。

 具体的には、複数産地と実需者が連携した国産野菜の強靱なサプライチェーンを構築するため、実需者のニーズに対応した品種の栽培実証、先進地や実需者ニーズ調査、農業機械や予冷・貯蔵庫のリース導入等に係る経費を支援します。

 国産野菜のサプライチェーン連携強化のため、複数産地と実需者が連携して行う合理化の取組について、生育予測システムや集出荷システムの導入、システム連携、電子タグ付き大型コンテナのリース導入等の実証経費を支援します。

 こうした取り組みをもとに、2017年に98万tだった加工・業務用野菜の出荷量(直接取引分)を2030年までに145万tに拡大する目標を掲げています。

 関連する政策には、産地生産基盤パワーアップ事業があります。

産地生産基盤パワーアップ事業
産地生産基盤パワーアップ事業

 収益力強化に計画的に取り組む産地に対し、農業者等が行う高性能な機械・施設の導入や栽培体系の転換等に対して総合的に支援する事業です。具体的には次のようなことを想定しています。

  • 新市場獲得対策:拠点事業者の育成に向けた貯蔵・加工・物流拠点施設等の整備等
  • 収益性向上対策:計画の実現に必要な農業機械の導入、集出荷施設の整備等
  • 生産基盤強化対策:生産基盤を次世代に円滑に引き継ぐための再整備・改修、継承ニーズのマッチング等

 さらに、新基本計画実装・農業構造転換支援事業もあります。

新基本計画実装・農業構造転換支援事業
新基本計画実装・農業構造転換支援事業

 食料・農業・農村基本法の改正を踏まえた新たな「食料・農業・農村基本計画」による、農業の構造転換の実現に向け、地域農業を支える老朽化した共同利用施設の再編集約・合理化に取り組む産地を支援する事業です。

 具体的には、老朽化した穀類乾燥調製貯蔵施設や集出荷貯蔵施設等の共同利用施設の再編集約・合理化を支援します。