目次

  1. 相対取引価格とは
  2. 米の価格の動向 今後どうなる?
  3. 2024年産米の予想収穫量は679.2万トン

 相対取引価格とは、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの出荷団体が卸会社等に販売するときの価格で、運賃、包装代、消費税を含む1等米の価格のことを指します。

 以前は、自主流通米の指標価格の形成を図るためにコメ価格センター取引の価格を指標にしていました。しかし、2004年の食糧法改正により計画流通制度が廃止され、義務上場がなくなったことなどから2009年産で取引を中止することになりました。

 代わりに、農水産省が2006年産米から年間取扱数量5000トン以上の全国出荷団体等と卸売業者の取引価格を調査、公表しています。

 農林水産省の発表資料によると2024年産の10月のコメの「相対取引価格」は、全銘柄平均で2万3820円/玄米60kgでした。9月の2万2700円をさらに上回り、いまの調査を開始した2006年産以降、過去最高となりました。

 調査手法は異なるものの、1993年の「平成の米騒動」のコメ価格センター取引の年平均価格2万3607円を上回りました。

 米価が高止まりしている理由として、今夏の品薄をきっかけとした集荷競争だけでなく、2020年平均と比べて光熱動力費が1.3倍、肥料代が1.4倍とコスト増によりJAなどが農家に支払う「概算金」が上がっていることも影響しています。

 こうした状況から米価は当面高止まりが続く可能性があります。

 一方、農水省の公式サイトによると、2024年産米の9月25日時点の作況指数はやや良の「102」だったものの、九州や中国地方では、記録的な高温やカメムシの発生で、10月25日時点では平年並みの「101」に引き下げました。

 それでも、予想収穫量(10月25日時点)は2023年産を18.2万トン上回る679.2万トンと発表しました。