子どもが生まれ家業に戻ろうと決意

 大阪市淀川区に本社を置く「斎藤塗料」の5代目となる予定の菅彰浩さん(Twitterアカウント:@sugaakihiro3110)が家業に入ったのは約2年前。それまではディー・エヌ・エー(DeNA)で、ソーシャルゲームのプロデューサーやマネジメントを経験しました。

 DeNA時代は、入社1年目に菅さんも含めて6人程度のチームで、年間の売上高は約10億円。2年目からは誰もが知っている有名タイトルの担当となり、同じ規模のチームで売上高が月商で20億円にものぼりました。

 「当時のソーシャルゲームは、ユーザーコミュニティーと私たち運営のコミュニケーションツール的な存在でした。運営が面白いイベントを生み出せば、それでユーザーコミュニティーが盛り上がります。仕事はハードでしたが、頑張った分だけユーザーの反応や売上といった形で成果が見えるのが面白かったんです」

 その頃に結婚し、子どもが生まれたことをきっかけに「いずれ大阪に戻るなら、子どもが幼稚園や学校に入る前に」と家業に入ることを決めました。

 家業はこれまでBtoB向けの塗料販売のみでしたが、家業に戻った菅さんはSNSの運用を始めています。

マネージャーの機能不全やローパフォーマーに懸念

 家業に入って最初に感じたのは「マネージャーがいない」ということでした。もちろん、部長や課長という役職者はいるのですが、みな「いち作業員」に過ぎず、たまたま社歴が長いから役職がついただけ。つまり年功序列です。

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