MBD(モデルベース開発)とは 自動車の開発効率化へ 推進センター設立
MBD(Model-Based Development、モデルベース開発)とは、自動車の設計開発で、実物の試作部品ではなくコンピューター上で再現した「モデル」を活用することで、部品試作やテストにかかる時間やコストを減らそうとする開発スタイルです。自動車やその部品メーカー各社がMBD推進センターを立ち上げました。
MBD(Model-Based Development、モデルベース開発)とは、自動車の設計開発で、実物の試作部品ではなくコンピューター上で再現した「モデル」を活用することで、部品試作やテストにかかる時間やコストを減らそうとする開発スタイルです。自動車やその部品メーカー各社がMBD推進センターを立ち上げました。
目次
今後普及する可能性がある自動走行のほか、ESC(横滑り防止装置)、衝突被害軽減ブレーキなど自動車に搭載される機能が高度化するのにあわせ、車の構造や制御システムが複雑になってきています。
それぞれの部品やシステムが車両全体に与える影響を確認しながら、限られたリソースで迅速に開発し続ける必要があります。
そこで注目されているのが、自動車の先行開発・性能評価を実機ではなく、バーチャルシミュレーションで効率化する「モデルベース開発」(MBD:Model Based Development)です。
このMBDを全国の自動車産業に普及するため、自動車メーカーや自動車部品メーカーが2021年7月9日に「MBD推進センター」を立ち上げました。
2021年9月24日にはMBD推進センターのオンライン説明会が開催されました。朝日新聞デジタルでは、各社が取り組みの意義を話した様子を紹介しています。
人見光夫・センター委員長(マツダ役員)はこの日の説明会で、「EVなど次世代技術への対応で、どの社も人手が大変。やることを共通化して、本当に必要なところにリソースをまわす」と話した。
マツダはMBDへの取り組みで先行しており、同センターの推進役を担う。すでに地元・広島の部品メーカーなどとの連携も強化しているという。
説明会では、他の自動車メーカーも「複雑化、高度化したシステム間の性能確認に、これまで以上にMBDを使う必要がある」(トヨタ)、「(自動運転などのデータを)部品メーカーと共有できれば業界としての力が上がる」(日産)などと意気込みを示した。
車の開発効率化へ、マツダやトヨタなど10社が団体設立(朝日新聞デジタル)
モデルベース開発は、国が推し進めてきた取り組みでもあります。
「日本は企業間の“すりあわせ”開発に強みをもっており、MBDを世界に先んじてサプライチェーン全体で実現できれば、製造業の国際競争力をより高めることができる」として、経済産業省は2015年度から自動車メーカー及び部品メーカーと研究会を開き、「ガイドライン」「車両性能シミュレーションモデル」をつくり、公表してきました。
こうした取り組みのなかで、エンジニアリングチェーン全体で、すりあわせ開発の高度化をMBDで進める構想「SURIAWASE2.0」が生まれました。
モデルベース開発のメリットとして、開発の早い段階からシミュレーションができることや、開発スピードを速め、コストを削減できることがあります。
このほかにも、MBD推進センターは次のようなメリットを上げています。
2021年9月24日時点の参画企業は次の通りです。
2021年9月24日時点の参画予定企業は次の通りです。
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。