目次

  1. モデルベース開発とは
  2. MBD推進センター参画各社が意義を解説
  3. 経産省が推し進めてきた「SURIAWASE2.0」
  4. モデルベース開発のメリット
  5. MBD推進センターの参画企業
  6. MBD推進センターの参画予定企業
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 今後普及する可能性がある自動走行のほか、ESC(横滑り防止装置)、衝突被害軽減ブレーキなど自動車に搭載される機能が高度化するのにあわせ、車の構造や制御システムが複雑になってきています。

 それぞれの部品やシステムが車両全体に与える影響を確認しながら、限られたリソースで迅速に開発し続ける必要があります。

 そこで注目されているのが、自動車の先行開発・性能評価を実機ではなく、バーチャルシミュレーションで効率化する「モデルベース開発」(MBD:Model Based Development)です。

 このMBDを全国の自動車産業に普及するため、自動車メーカーや自動車部品メーカーが2021年7月9日に「MBD推進センター」を立ち上げました。

 2021年9月24日にはMBD推進センターのオンライン説明会が開催されました。朝日新聞デジタルでは、各社が取り組みの意義を話した様子を紹介しています。

 人見光夫・センター委員長(マツダ役員)はこの日の説明会で、「EVなど次世代技術への対応で、どの社も人手が大変。やることを共通化して、本当に必要なところにリソースをまわす」と話した。

 マツダはMBDへの取り組みで先行しており、同センターの推進役を担う。すでに地元・広島の部品メーカーなどとの連携も強化しているという。

 説明会では、他の自動車メーカーも「複雑化、高度化したシステム間の性能確認に、これまで以上にMBDを使う必要がある」(トヨタ)、「(自動運転などのデータを)部品メーカーと共有できれば業界としての力が上がる」(日産)などと意気込みを示した。

車の開発効率化へ、マツダやトヨタなど10社が団体設立(朝日新聞デジタル)

 モデルベース開発は、国が推し進めてきた取り組みでもあります。

 「日本は企業間の“すりあわせ”開発に強みをもっており、MBDを世界に先んじてサプライチェーン全体で実現できれば、製造業の国際競争力をより高めることができる」として、経済産業省は2015年度から自動車メーカー及び部品メーカーと研究会を開き、「ガイドライン」「車両性能シミュレーションモデル」をつくり、公表してきました。

 こうした取り組みのなかで、エンジニアリングチェーン全体で、すりあわせ開発の高度化をMBDで進める構想「SURIAWASE2.0」が生まれました。

 モデルベース開発のメリットとして、開発の早い段階からシミュレーションができることや、開発スピードを速め、コストを削減できることがあります。

 このほかにも、MBD推進センターは次のようなメリットを上げています。

  • 各プレイヤーの研究力・開発力向上と効率化により、収益拡大と将来の成長が期待できる
  • 現状の事業規模が比較的小さいプレイヤーも、製造CAEによる経費低減や、提案力向上によるビジネス拡大が期待できる

 2021年9月24日時点の参画企業は次の通りです。

  • アイシン
  • ジヤトコ
  • SUBARU
  • デンソー
  • トヨタ自動車
  • 日産自動車
  • パナソニック
  • 本田技研工業
  • マツダ
  • 三菱電機

 2021年9月24日時点の参画予定企業は次の通りです。

  • AZAPA
  • NTT データエンジニアリングシステムズ
  • ダイハツ工業
  • 東芝デジタルソリューションズ
  • 日本マイクロソフト
  • ネクスティ エレクトロニクス
  • 日立 Astemo
  • 三菱自動車工業
  • IDAJ
  • IPG Automotive
  • アドバンスソフト
  • アンシス・ジャパン
  • 伊藤忠テクノソリューションズ
  • インテグレーションテクノロジー
  • エクスモーション
  • SCSK
  • MCOR
  • サイバネットシステム
  • シーメンス
  • 図研
  • 図研モデリンクス
  • dSPACE Japan
  • デジタルアーツ
  • デジタルプロセス
  • 電通国際情報サービス
  • 東芝デバイス&ストレージ
  • トヨタテクニカルディベロップメント
  • 日本 NI
  • ニュートンワークス
  • パーソルテクノロジースタッフ
  • 両毛システムズ
  • 日野自動車
  • ほか1社