目次

  1. 受注減少で韓国進出 その矢先にコロナ
  2. くじけぬ精神・絶えない笑顔、ルーツは父
  3. 黒子だった企業 「サンドイッチ」では付加価値
  4. 老舗パン屋とのコラボ、インスタで話題に

 「阪神淡路大震災のときは日本各地のさまざまなところが助けてくれました。世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の影響は、あの震災以上。本当に苦しい闘いです」

 山田勝宏社長の前を向く目は明るさがあるものの、ここまで気持ちを立て直すには相当な葛藤がありました。

2021年7月に山田製玉部の3代目に就任した山田勝宏社長

 山田製玉部は、ホテルの朝食向け「だし巻き玉子」や、寿司店向け玉子焼きなどを中心に、BtoBが主体の会社です。それがコロナ禍で、厳しい状況に陥りました。

 インバウンドで沸き立っていたホテルはもちろん、時短営業や酒類の提供停止で客足が激減した寿司店など主要顧客からの受注が減り、最も売り上げが伸びる12月で、2020年は前年比4割減まで落ち込みました。2021年12月でも、売上高は2019年比で3割減と回復には至りません。

 「実はコロナ禍前から、長年取り引きのあった“街の寿司店”からの受注は減り続けていました」

 100円回転寿司店が増えるにつれ、昔ながらの街中の寿司店は客足が減少しています。「寿司店向け玉子焼きの生産ライン稼働率をなんとかしたい」と、コロナ禍直前の2019年には海外事業部を立ち上げました。

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