おいしい伊達巻き、気温や湿度で変わるタイミング

 機械が出てきたのは、ふんわりと焼き上がった生地。そのうえに重しを置いて冷ましてから巻いて形をつくります。この重しを置く時間や巻くタイミングで、伊達巻きのできあがりの固さが変わります。

 しかし、絶妙なタイミングは、その日の気温や湿度などによって変わります。このタイミングを見極めるのに職人の技が生きています。

コロナ禍で変革に迫られた老舗

 山田製玉部は2021年7月に山田勝宏さんが3代目社長に就任しました。主な取引先の寿司店やホテルだったため、コロナ禍で売上は大幅に減少。そんな機会に、山田さんは新たなコラボ商品を生み出しました。

 代表例は地元の老舗パン屋「イスズベーカリー」といっしょに生み出した「厚焼き玉子サンド」。そんな商品づくりの過程を、記事「寿司からサンドイッチへ 黒子だった老舗玉子焼きメーカーが気づいた価値」で紹介しています。

 山田社長は、従業員との情報共有についても変えました。良いことも悪いことも知らせる。それをきっかけに、従業員から様々なアイデアが生まれるようになっています。そんな様子を記事「ベテラン職人とも得意先とも“対等” 3代目が描く会社の未来」で紹介しています。