目次

  1. 100億円企業とは 
  2. 飛躍的成長を遂げる中小企業のパターン
    1. 成長市場型
    2. 独自価値創出型
    3. 成長志向M&A型
  3. 100億円企業の特徴
    1. 総資産に対する借入金の割合が低下
    2. 特定企業への依存を脱却
    3. 研究開発費・輸出実績企業比率に伸び
  4. 100億円企業になるために必要な「経営力」
    1. 従業員への経営理念・ビジョンの共有
    2. 経営人材・DX人材の確保・育成
    3. 仕入先・大学等との連携
  5. 100億円企業への成長戦略
  6. 経営者の意識改革と学びの継続を

 100億円企業とは、年間の売上高が100億円以上ある企業を指します。

 中小企業庁の資料(PDF)によると、売上高100億円以上に成長した企業は、中小企業だった頃と比べて、直接輸出額が平均値200万円から4億200万円へ、域内仕入高(仕入比率)は6400万円(13.1%)から33.1億円(20.1%)へ、従業員1人あたりの賃金は、平均値で337.4万4円から462.5万円へ伸びる傾向にあります。

飛躍的成長を遂げた中小企業(100億企業)と海外展開の関係
飛躍的成長を遂げた中小企業(100億企業)と海外展開の関係
飛躍的成長を遂げた中小企業(100億企業)と地域経済発展との関係
飛躍的成長を遂げた中小企業(100億企業)と賃金との関係
飛躍的成長を遂げた中小企業(100億企業)と賃金との関係

 経済産業省の中小企業の成長経営の実現に向けた研究会は、第2次中間報告書のなかで「賃上げ・投資を積極的・継続的に行うには、一定の企業規模への成長が必要となるが、100億企業は一つの目安となるような企業規模」だと指摘しています。

 こうしたことから、政府は、改正産業競争力強化法で中堅企業という枠を設け、域内経済牽引や外需拡大に貢献し、賃上げを可能にする持続的な利益を生み出す目安の一つを売上高100億円超と定義しました。

 研究会の資料によると、売上高1~10億円から100億円以上に成長した178社は、競合他社と差別化された価値を提供できる独自のポジションを獲得しており、その成長には3つの類型があるといいます。

売上高100億円超に成長した企業の成長パターンの分析
売上高100億円超に成長した企業の成長パターンの分析

 市場規模が拡大する市場を見極め、その成長を取り込むことで成長を遂げるパターンです。DX・システム開発、医療・介護、サーキュラーエコノミー、人材紹介・人材派遣、GX(省エネ・再エネ)、オンラインゲーム・マンガなどがこの類型に含まれます。

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