100億円企業、2023年度に609社誕生 3年以内の候補は2398社

帝国データバンクは、2023年度決算時点で年商100億円以上の企業を抽出・分析したところ、初めて100億円を突破した企業は609社で、今後3年以内に100億円を突破する可能性のある企業は2398社と推定しました。年商100億円のハードルや達成までのアプローチは、業種や地域によって大きく異なるところが見えてきました。
帝国データバンクは、2023年度決算時点で年商100億円以上の企業を抽出・分析したところ、初めて100億円を突破した企業は609社で、今後3年以内に100億円を突破する可能性のある企業は2398社と推定しました。年商100億円のハードルや達成までのアプローチは、業種や地域によって大きく異なるところが見えてきました。
中小企業の賃上げや価格転嫁、人材確保、高収益化などを実現するため、「100億円」をスローガンとした支援策が始まりました。
帝国データバンクは、企業データベースから、2023年度決算(2023年4月期~2024年3月期)時点で、年商100億円以上の企業と、その中でも初めて100億円を突破した企業を抽出・分析しました。
また、この決算期を含む過去3期の年商伸び率から、今後3年以内で100億円を突破する可能性のある企業も同様に抽出・分析した。
2023年度決算時点で100億円企業は全国に1万5159社存在していました。この中で、初めて100億円を突破した企業は609社で、今後3年以内に突破する可能性のある企業は2398社だった。中小企業の成長が日本経済の底上げにつながると期待されている。
100億企業のうち、2023年度決算で初めて年商100億円に到達した企業は、全国で609社。これは100億企業全体の4.0%にあたります。到達に要した年数(2023年度までの業歴)の平均は42.2年でした。
業種別に見ると、「卸売業」が最も多く168社でした。次いで「製造業」が134社、「サービス業」が104社となっています。
突破に要した平均年数を見ると、最も短いのは「不動産業」の22.6年、次いで「その他」の24.9年、「サービス業」の28.7年となり、単価引き上げやマーケティングによるニーズの掘り起こしで売上を伸ばしやすいBtoC業態では、比較的早期に100億企業となる可能性があるといいます。
一方で「製造業」は55.7年と最も長く、地道な設備投資など積み上げ型の経営が必要となると分析しています。
都道府県別では、最多は東京都の234社で、大阪府の71社、愛知県の36社と続いていました。
2023年度時点で100億企業ではないが、同期以前3期の年商伸び率(平均)から、2024年度以降3期以内に100億企業となる可能性がある企業を抽出すると、国内企業のうち2398社が当てはまるといいます。
業種別で最も多いのは「卸売業」の725社(1年後193社、2年後246社、3年後286社)。次いで「製造業」の592社、「サービス業」の407社となりました。
都道府県別では、「東京都」「大阪府」「愛知県」「神奈川県」の大都市圏では、3年間でそれぞれ100社以上の100億企業が生まれる見込みだといいます。「福岡県」(3年で88社)や「北海道」(3年で71社)の地方圏でも、大都市圏に迫る数が100億円企業となる見込みとなっていました。
今回の分析からは、「製造業」は、100億企業出現率が2.57%と高く、全業種平均の2倍超だが、突破に要する平均年数は55.7年であり、「不動産業」や「サービス業」と比べてより長い時間がかかる帝国データバンクは「100億円のハードルや達成までのアプローチは、業種や地域によって大きく異なると考えられる」とコメントしています。
中小企業全体への画一的な政策アプローチではなく、業種や地域、ビジネスモデル、経営者の能力など、多様な企業形態に合わせたきめの細かいサポート体制が求められるとし「既存事業での販路拡大やM&Aによる事業領域・ドメイン拡大、ロールアップ、海外展開など成長に向けた手法も多様であり、それらを企業の成長過程(フェーズ)に合わせてより効果的なタイミングで実施することも必要だ」といいます。
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