目次

  1. 家族3代がそろう「まちの書店」
  2. 80種類のオリジナルブックカバーのデザインが話題
  3. 家業の書店は楽しい場所だった
  4. 出版不況とスマホの普及で書店がピンチ
  5. 「お店に来てほしい」と自腹でブックカバーを制作
  6. コロナ禍を経て閉店の危機が現実味
  7. 石鹸メーカーとのコラボ目当てに長蛇の列
  8. 再び家族一丸となって書店を運営

 正和堂書店は1970年に初代の宮西正典さん(90)が創業した書店です。250坪で約10万冊を扱い、私営の書店としては大きな規模となります。

 従業員は家族・親族、パート・アルバイトを合わせても15人という家族経営。2階より上はカルチャーホールとワンルームマンションを貸し出しており、不動産賃貸業も兼ねています。

正和堂書店の外観
正和堂書店の外観

 「初代のころは今で言うコンビニエンスストアに近いよろず屋でした。パンの横に雑誌や書籍が並ぶ業態だったんです。取扱商品の中で出版物がよく売れるため、鶴見書店の名前で再出発したと聞いています」

 3代目・小西康裕さんはそう語ります。正和堂書店の特徴は、3代にわたって現在も書店にかかわっている点です。

 初代の正典さんは代表として経営を統括し、祖母・宮西弘子さん、2代目である母・小西典子さんと典子さんの弟・宮西和典さん、小西さんの弟・悠哉さんが店に出て働いているのです。3代全員に会える書店は全国的に見ても稀有でしょう。

 「祖母は店番をしながら昼寝をしてしまう場合もあるのですが、その姿がお客様の癒しになっているようです」

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