目次

  1. マグネットボール・マグネットキューブとは
  2. 磁石玩具の法的規制
  3. 経済産業省がECサイト事業者に協力要請

 子どもが誤飲して内蔵を傷つけるなど重大事故が起きているとして消費者安全調査委員会と日本小児科学会が2021年11月に注意喚起しているネオジム磁石の製品は次の通りです。

消費者安全調査委員会と日本小児科学会がネオジム磁石製品について2021年11月に注意喚起を出したことを伝える朝日新聞の記事(https://digital.asahi.com/articles/ASQ3S2S8DQ3RUTIL017.html)
  • 直径が数㎜の球(マグネットボール)や一辺が数㎜の立方体(マグネットキューブ)で小さい子どもが誤飲
  • 一般的なフェライト磁石の10倍以上の磁力を持つネオジム磁石である
  • 球や立方体が複数個(数十個以上など)でできており、一部がなくなっても気づきにくい
  • パズル、おもちゃ、玩具などをうたって子ども向けに販売されている

 複数のネオジム磁石を誤飲すると、消化管を挟んで磁石が引き合うため、磁石の圧力がかかった部分が壊死して消化管等に穴が開くことがあります。その結果、腸の捻転・通過障害が起こり、放置すれば死亡に至る可能性があると指摘しています。

 消費者安全調査委員会などによると、欧州、オーストラリア連邦、ニュージーランド、カナダ、中華人民共和国、大韓民国には、法的拘束力を有する磁石玩具に対する技術基準が ISO 8124-1などに準拠して定められているといいます。

 しかし、日本では、同種の法的な規制が定められていません。そのため、海外では規制されていても、国内ではマグネットセットを製造、輸入、販売できてしまっています。

 経済産業省は6月24日、主要なインターネットモール運営事業者に対して、子どもの誤飲事故を防止するため、インターネットモール上でネオジム製品を販売する事業者に下記の内容を通知し、販売ページを確認するよう協力を求めました。

  • 商品説明や表示で対象年齢を14歳以上とする
  • 子どもが誤飲し開腹手術が必要となった重大事故が複数発生していることを明示しつつ、子どもの手には触れさせない旨の注意喚起をする
  • 子どもの使用や幼児教育を想定した表現をしない。具体的には「子ども」や「親子」といった表記や「おもちゃ」、「知育」、「教育」など子どもが使うことを想定した表現を用いない、子どもの写真画像やイラストを使用しない