改正風営法、悪質ホスト対策以外も 無許可営業の罰金上限3億円へ

悪質ホストクラブ対策として「改正風営適正化法」が2025年5月20日、衆院本会議で可決、成立しました。悪質ホスト対策以外の重要なポイントとして、無許可営業等に対する罰則の大幅な引き上げがあり、法人に対する罰金の上限が現行の200万円以下から3億円以下へと強化された点があります。風営法の対象店舗の開業時には十分な注意が必要です。
悪質ホストクラブ対策として「改正風営適正化法」が2025年5月20日、衆院本会議で可決、成立しました。悪質ホスト対策以外の重要なポイントとして、無許可営業等に対する罰則の大幅な引き上げがあり、法人に対する罰金の上限が現行の200万円以下から3億円以下へと強化された点があります。風営法の対象店舗の開業時には十分な注意が必要です。
警察庁の公式サイトによると、風俗営業は、健全に営まれれば国民に憩いと娯楽を与える有用な営業でも、営業方法や業務内容が不適正なものとなれば、風俗上の問題を引き起こす可能性があることため、許可制などにより不適格者をあらかじめ排除する目的で制定されたのが風営法です。
風営法は、いわゆる性風俗関連特殊営業だけが規制対象ではありません。接待を伴うホストクラブやバーなどの低照度飲食店、広さが5㎡以下の個室などを設けた区画席飲食店、麻雀・パチンコ、ゲームセンター等も規制対象になっていますので、開業時などには十分注意が必要です。
今回の風営法改正の背景には、ホストクラブで女性客が遊興や飲食をした結果、売掛金等の名目で多額の債務を負担させられ、その支払いのためにホストやホストクラブ経営者から売春や性風俗店での稼働などを要求される事案が発生し、社会問題になっていることが挙げられます。
現行法の規制では十分な対応が困難であるとして、法改正となりました。
改正案には、主に以下の4つの重要なポイントが含まれています。
風俗営業を無許可で行うことなどに対する罰則が大幅に強化されます。個人の場合、現行の2年以下の拘禁刑が5年以下に引き上げられ、罰金も200万円以下から1千万円以下に引き上げられます。さらに、両罰規定に係る法人に対する罰則が、現行の200万円以下から3億円以下へと大幅に強化されます。
設備を設けて客の接待をして遊興または飲食をさせる営業である「接待飲食営業」を営む風俗営業者に対して、接待飲食営業を営む風俗営業者がしてはならない行為(遵守事項)として規定します。
さらに、次の行為を接待飲食営業を営む者に係る禁止行為として罰則付きで規定しています。
性風俗店を営む者が、スカウト等から求職者の紹介を受けた場合に、紹介料を支払う「スカウトバック」が禁止され、罰則が伴います。これは、ホストやスカウトなどが女性客を性風俗店に紹介し、その紹介料を得るという構造を防ぐ目的があります。
風俗営業の許可に関する欠格事由が追加され、不適格な者が業界から排除されるようになります。具体的には、以下の者が許可を得られなくなります。
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