目次

  1. 日本を代表する有名経営者5人の名言
    1. 多くの人たちに利用されてこそ、技術である(ソニー創業者・井深大)
    2. 皆さんは社員という稼業の社長である(パナソニック創業者・松下幸之助)
    3. やってみなはれ(サントリー創業者・鳥井信治郎)
    4. 明日になれば、今日の非常識は常識になっている(日清食品創業者・安藤百福)
    5. 必要な人になることが肝要で、どっちでもいいと云ふ人間になっては駄目(阪急電鉄創業者・小林一三)
  2. 名言・格言とは

 ソニーグループは「プレイステーション5」などのゲーム事業、テレビやカメラなどの家電事業、ソニー銀行などの金融事業のほか、映画事業や音楽事業を手がけます。公式サイトによると、2021年度の連結売上高は9兆9215億円、同年度末時点の連結従業員数は10万8900人です。

 ソニーは前身の東京通信工業時代を含め、日本初のテープレコーダーやトランジスタラジオ、世界初のトランジスタテレビ、外で音楽を聴ける「ウォークマン」といった革新的な製品を次々に生み出してきました。

 一方、創業者の1人である井深大氏は、いち早く国産化に成功したビデオレコーダーの商品化に「待った」をかけたことがあるそうです。なぜでしょうか。

 「多くの人たちに利用されてこそ、技術である」という井深氏の言葉について、ソニー広報部の担当者に解説していただきました。

 パナソニックホールディングスはエアコンや洗濯機などの家電事業、車載機器などの自動車関連事業、蓄電システムなどのエネルギー事業を手がけます。決算短信によると、2021年度の売上高は7兆3887億円、従業員数は24万198人です。

 今では「経営の神様」として知られる松下幸之助氏。「皆さんは社員という稼業の社長である」という言葉が飛び出したのは、1963年の経営方針発表会だったそうです。パナソニック歴史文化マネジメント室の担当者が、名言に込められた意味と背景について説明してくれました。

 サントリーホールディングスはビールやウイスキー、ワイン、清涼飲料水などの製造・販売のほか、サプリメントなどの健康食品事業を手がけています。公式サイトによると、2021年12月末時点の連結売上収益(酒税控除後)は2兆2857億円、従業員数は4万275人です。

 サントリー創業者の鳥井信治郎氏は、「日本では無理」とまで言われたウイスキー製造に挑み、成功させました。

 その開拓者精神を象徴する言葉として知られる「やってみなはれ」という言葉。2代目社長の佐治敬三氏から、とある相談をされた鳥井信治郎氏が、しばらく考え込んだ後で発したそうです。どんな思いが込められているのか、取材しました。

 日清食品ホールディングスは「カップヌードル」などの即席麺のほか、「スパ王」などの冷凍食品、「ごろグラ」などのシリアルの製造販売を手がけています。公式サイトによると、2021年度の連結売上高は5697億円、連結従業員数は1万4633人です。

 創業者である安藤百福氏は、今や国民食となったインスタントラーメンの開発者で、「即席麺の父」とも呼ばれます。しかし、開発で試行錯誤する中、友人の実業家からは否定的な言葉を浴びせられたといいます。

 「明日になれば、今日の非常識は常識になっている」という言葉が生まれた経緯について取材しました。

 阪急阪神東宝グループは阪急阪神ホールディングス、エイチ・ツー・オー リテイリング、東宝などでつくる企業グループで、関西で鉄道事業や宝塚歌劇団の運営を担う阪急電鉄、阪急百貨店を展開する阪急阪神百貨店などを含みます。公式サイトによると、2021年度末時点のグループ売上高は1兆4930億円、グループ従業員数は3万5964人です。

 小林一三(いちぞう)氏は、阪急電鉄や阪急百貨店、そして宝塚歌劇団の生みの親として知られます。「必要な人になることが肝要で、どっちでもいいと云ふ人間になっては駄目」という言葉を残しました。

 小林一三氏は、人間が社会で3段階でステップアップしていくと考え、第2段階の「必要な人」になることが重要だと説いたそうです。小林一三記念館の館長にお話をうかがいました。

 名言や格言とは何でしょうか。小学館の「精選版 日本国語大辞典」で定義を確認します。

 名言は「よく、ことの道理を言いあてたすぐれたことば。名高いことば。めいごん」とあります。格言は「簡潔に人生の真理や機微を述べ、処世の訓戒となるような言葉。多くは昔の聖人、偉人、学者などが言い残したもの。金言」です。

 類語として金言(きんげん=処世へのいましめや教えとして手本とすべき言葉。模範とすべき内容をもった言葉。名言。格言。金句)のほか、箴言(しんげん=いましめとなることば。人生の教訓の意味を含めた短い句。格言。金言)が挙げられます。

 森本哲郎・東京女子大教授(当時)は朝日新聞の連載「言葉巡礼記」の記事(1989年4月24日付朝刊)の中で、名言の宝庫として「論語」を挙げています。記事中で、名言とは何かに触れているので引用します。

では、名言とはなんだろう。その言葉を聞いて思わずハッとすることもあれば、深くうなずいて心に刻む、あるいは、折にふれては思いおこし自分を省みる糧にする、そのような教え、といってよい。しかも、名言の不思議は、それがさまざまに解釈でき、時代を超えて万人に訴える教化の力である。

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