目次

  1. 新社長が全権を握れるように
  2. 上下関係を認識させるには
  3. 社長と役員がぎくしゃくした理由
  4. 役員を社内コンサルの立場に
  5. 創業者一族も特別扱いしない

 組織改善を図りたいと考え、識学にお問い合わせいただくファミリービジネスの経営者の多くが、先代から後を継いだばかりの若い社長です。

 「先代の右腕だった人が言うことを聞いてくれない」、「先代の経営方針で事業はうまく継続できているけれども、本当にこのやり方でよいか分からない」といった悩みを抱えている方が多いです。創業者や引退を控えた経営者からのお問い合わせはまずありません。

 年配の経営者は、組織体制の強化を図るという発想を抱きにくいかもしれません。しかし、ファミリービジネスで代替わりしたばかりの新社長は、これから数十年にわたって会社を切り盛りしていかなければなりません。のどに骨が刺さった状態のままで生き残れる保証はどこにもない、という危機感があるのでしょう。

 組織改善を進める上で大切なことは、新社長が全権を握れるようにしておくことです。例えば、前社長が会長として社内に居座り、新社長の一挙手一投足に目を光らせ、事あるごとに口出ししてくるような状態では、組織改善などうまくいくはずがありません。

 筆者がこのような会社からコンサルティングのご依頼を受けた際は、「会長に一定期間口出しをしないという了解を得てください」と社長に要求します。それがかなわなければ、せっかくのご依頼でも辞退することがあります。

 ファミリービジネスだと、経営者交代のタイミングで新社長に軽々しい態度を取る社員が出てきやすいため、注意してください。特に役員が新社長の元上司である場合、「社長は自分の言うことは何でも聞く」と思いがちです。こうした役員にはどのように接すればいいのでしょうか。

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