目次

  1. 物価高に直面した飲食店の実例
  2. 現状維持
  3. 出費を見直す
    1. 設備の効率化
    2. 経費の見直し
  4. 売価の見直し
    1. 単価
    2. 数量の見直し
  5. ディフェンス力は事前準備を

 まず最初に、筆者が実際に相談を受けた飲食業のケースを紹介します。

《業種》飲食店(レストラン)

《店舗所在地》首都圏の県庁所在地。周りはオフィス街や繁華街

《売り上げ》年間4千万円、直近は黒字を確保

《相談内容》 創業から間もなく10年が経ちます。徐々にお客様が増え、売り上げや利益も伸びてきました。新型コロナウイルスの影響で、売り上げや利益は落ち込みましたが、何とか事業を維持するだけの数字は確保できていました。しかし、コロナ禍が落ち着いたタイミングで、今度は物価高に直面し、利益が前年よりも下回ってしまいました。このままでは、赤字の幅が増えてしまいます。

 このような状況下で、経営者であるあなたはどんな手を打つことができますか。考えられる方法は大きく分けて、「現状維持」「出費の見直し」「売価の見直し」の三つになります。それぞれ順番に見ていきましょう。

経営のディフェンス力強化の方法(筆者作成)

 特に新しいことをする必要もなく、現状のまま進められる点では楽かと思います。しかし、このままでは利益の確保どころか、赤字の幅が増える可能性が高いです。様子を見たところで事態が好転しなければ、赤字の幅が増える可能性が高いので、やはり何らかの手を打たなければなりません。

 こちらは主に二つの手法があります。

 機器が古くなっていたり、効率が悪くなっていたりしたら、長期的に見て利益を圧迫する要因になります。設備を見直すことで、長期的に見れば出費を抑えられる可能性が高いです。ただし、設備を買い替える際には、一度に多額の出費が予想されるため、現金の確保が必要になります。短期的には資金繰りの不安を解消することが最優先になると思います。手元の現金や預金は少なくとも、月の売り上げの2カ月分以上確保できていることが条件です。

 経費の見直しは、以下の3点の確認が重要です。

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