目次

  1. 「居続けたい」と思えない理由
  2. 「儲かるビジネス」が定着率を高める
  3. 古参社員におもねらない
  4. 離職者の属性を見極める
  5. パワハラを防ぐ二つの対策
  6. 「辞めたいです…」と言われたら
  7. 定期アンケートで離職の芽を摘む

 「離職者が相次いでいるけれども原因が分からない」
 「社員の離職が怖くて言いたいことを言えない」
 「期待の逸材に突然離職を切り出されて困り果てている」

 こうした悩みを抱えている経営者は少なくないはずです。仕事が特別過酷なわけではないし、給与は同業他社と比べて同じかそれ以上。パワーハラスメントが蔓延している可能性も低い……。にもかかわらず、社員がなかなか定着しない会社があります。それは、なぜでしょうか。

 その可能性を考えてみるに、社員が将来に対する明るい展望を描けずにいるのかもしれません。給与やポジションが上がっていく道筋が見えなかったり、成長の実感を抱けなかったりする会社だと、社員が「居続けたい」とは思えないのです。

 年齢層のばらつきも大事です。20~60代までの社員が満遍なくいる会社であれば、「この年齢になると、このくらいの役職に就いて、こういう仕事を任されるのだろう」というイメージを一人ひとりが抱きやすいでしょう。

 しかし、社員の平均年齢が50代を超え、もっとも若い社員の年齢が30代後半の会社では、将来を想像するのは難しいです。これについては、短期的な対処法はありません。毎年1~2人継続して若手を採用する計画を立ててください。

識学シニアコンサルタント・岩澤雅裕さんの寄稿をもとに編集部作成

 社員の定着率を高めるには、組織の継続的な成長が不可欠です。組織が拡大を続け、成果に見合った報酬を社員に支払う。新たな社員を雇い、その分、新しいポジションがつくられていくという形が理想と言えます。現状維持は衰退と一緒で、いずれ限界がきます。したがって、儲かるビジネスをしなければなりません。

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