目次

  1. リノベの経験を積んで家業へ
  2. 設計から手がける家づくりを復活
  3. リノベーション事業に参入
  4. 友人を「副業人材」として家業に
  5. 経理データをまとめて見える化
  6. 心の底から作りたいサービスを
  7. 業界未経験だからこその強み
  8. 「相棒」のさらなる採用も見据えて

 藤孝建設は1969年、佐藤さんの祖父が創業し、町の大工から徐々に建設会社へと進化します。2代目の父はさらに自社設計での家づくりを始めました。佐藤さんは「設計から家を建てるところまで全て担う、設計施工のさきがけだったと聞いています」。

 当時は会社の隣に実家があり、家づくりが身近だった佐藤さんは「無意識のうちに、自分もこういう仕事をするだろうと思っていました」

 ただ、親から家業を継ぐように言われたことはなく、佐藤さんも「家業をただ継ぐのは甘えではないか」と、外でキャリアを積みたいと考えました。

 大学卒業後、佐藤さんは大手ハウスメーカーに就職するも2年で退職。市場が盛り上がりつつあった中古物件のリノベーションを扱う会社に転職し、内装設計を担います。終業後はファミレスで深夜3時まで勉強を重ね、29歳で1級建築士の資格を取得しました。

 その後は同業他社でキャリアを積みますが、実家に帰ると年を重ねる両親の姿が気になりました。「家業のシェアも小さくなり、何かできることはないかと。うまくいかなくても30代前半ならリカバリーできると思い、戻ることを決めました」

藤孝建設は駅から少し離れた住宅地にあります

 2014年に佐藤さんが入社したとき、藤孝建設の従業員は家族3人のみ。いす一つだけが追加されたオフィスで「職人と打ち合わせして家づくりやリフォームの作業をしてもらう管理業務をしていました」。

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