目次

  1. 家業に入るつもりはなかった
  2. 研究職をやめて介護の仕事へ
  3. 事務作業のデジタル化を促進
  4. 介護関連サービスをトータルで
  5. 自発的に動いて考える社風に
  6. ベースアップで社員に還元
  7. 専門部署を作って情報発信
  8. 選んでもらえる企業を目指して

 ライフ・テクノサービスの前身は、中川さんの父が設立した医療機器輸入会社です。船の機関士として世界をめぐっていた父は、船を降りた後の仕事として、医療機器の輸入販売や、それらのプログラミングやメンテナンスを手がける事業を始めました。

 次第に車いすなど介護用品の輸入も増え、1997年にトータル介護サービス会社として、母が経営する託児所と統合する形でライフ・テクノサービスを創業します。

 当時高校生だった中川さんは、両親を見て「大変そう」とは思いましたが、仕事内容には特に興味を持たず、好きだった生物学の研究に没頭します。三重大学の大学院へ進み、「家業に入るつもりは全くなかった」そうですが、27歳のときに転機が訪れました。

 2000年に介護保険制度が始まると、同社は福祉用具レンタル事業を立ち上げます。病院や介護施設だけでなく在宅介護にまで事業を広げ、業績も右肩上がりでした。

 県内の事業所も増えていきましたが、中川さんは「父はどちらかというとトップダウン型で、事業が拡大する中で、辞める従業員も出て人手不足に苦しんでいました。長男として何か手伝えることはないかと考えるようになりました」。25歳からの2年間は大学で行っていた研究を続けながら、企画管理部の仕事を手伝いました。

 「手伝いはじめて、介護や福祉のことをいかに知らなかったかを痛感しました。きつい、汚い、危険という3Kのイメージだけで敬遠していましたが、大変な部分だけではありませんでした」

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