目次

  1. 企業規模に関係なく徹底を
  2. 徹底するべきは「姿勢のルール」
  3. あいさつ義務化がもたらした効果
  4. 経営者に求められるメタ認知力
  5. 絶対王制から機能するトップダウンへ

 内部統制やコンプライアンスの重要性は、2000年前後から叫ばれるようになりました。不正会計に手を染めた山一証券が1997年に経営破綻し、2000年には三菱自動車の「リコール隠し」が発覚、大きな問題になりました。

 米国でもITバブルが弾け、01年にエンロンが、02年にワールドコムがいずれも不正会計により倒産。このころから少しずつ、「倫理観を持って仕事に臨むべき」という考えが一般企業の間に浸透し始めるとともに、内部統制やコンプライアンスに関連する法律の整備がされていきました。

 それでも、内部統制の不備やコンプライアンス意識の欠如から来る組織の不祥事は後を絶ちません。最近では、ビッグモーターやジャニーズ事務所、宝塚歌劇団、日本大学、ダイハツ工業など、さまざまな組織で相次いで問題が明らかになりました。

 組織の規模が大きければ、その分内部統制やコンプライアンスへの姿勢は正しくて当たり前のように思えますが、実際はそうでもないのでしょう。だとすると、中小企業の意識は悲惨なレベルかもしれません。

 しかし、これからの時代を生き抜いていくには、企業規模に関係なく内部統制の整備やコンプライアンスの徹底を進めていくべきです。連日の報道によって社員の関心が高まっている今こそ、改革に乗り出す絶好のタイミングだと言えます。

 内部統制の取れた組織を築き、社員のコンプライアンス意識を向上させるにはどうすればいいのか。それぞれ考えていきましょう。

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