目次

  1. 山下PMCの仕事は「施設参謀」
  2. 組織の急拡大ゆえの「成長痛」
  3. 属人化解消へオフィスも移転
  4. 「次期社長に」決断の猶予は3日
  5. 仕事は「依頼主のビジョンの実現」
  6. 女性というだけで門前払いだった業界も変化
  7. 組織作りは次世代に向けて

 大規模施設の建設プロジェクトは、設計者や施工者などたくさんの会社や人がかかわり、高い専門性が求められます。

 そんななかで、山下PMCは、自らの仕事について、品質・コスト・納期・サービス・環境等をコントロールしながら、発注者のやりたいことを実現するための「施設参謀」と掲げています。

 1997年に山下設計の子会社として設立し、具体的な業務は、PM(プロジェクトマネジメント)/CM(コンストラクションマネジメント)。近年は、北海道日本ハムファイターズの新球場『ES CON FIELD HOKKAIDO』(北海道ボールパークFビレッジ 新球場)、外資系ホテル『ハイアットセントリック銀座東京』、世界的な建築家である妹島和世氏が設計した『日本女子大学新図書館』ほか、多くの人が知る施設のプロジェクトに参画しています。従業員は243人(2024年2月1日現在)。

2023年開業、北海道日本ハムファイターズの新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」のPM/CMを山下PMCが担当。可動屋根、寒冷地での天然芝など、高度な技術を取り込む、これまでにないスポーツ施設だ©H.N.F.
2023年開業、北海道日本ハムファイターズの新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」のPM/CMを山下PMCが担当。可動屋根、寒冷地での天然芝など、高度な技術を取り込む、これまでにないスポーツ施設だ©H.N.F.

 丸山優子さんは、2022年1月にカリスマ的経営者である前代表から事業を継承します。

 「前代表はたった9年で約10倍の会社に育てました。強い力で社員を牽引し、急成長したために、組織に成長痛のようなものが出ているとは思っていました」

 丸山さんのいう成長痛とは、レポートライン(指揮系統)がスムーズでなかったり、意思決定の責任の所在が曖昧になっている部分があったりする点だといいます。強い経営者がいると、一定の役割や機能ごとに小さなまとまりをつくる「クラスター型の組織」になる傾向があります。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。