目次

  1. 地元に愛されるスーパーマーケット
  2. 従業員たちと家族のように育った
  3. 震災翌日、全店が現場判断で再開
  4. 原発事故で物資が来ない
  5. 残された市民のため営業を継続
  6. 備えが生きた豪雨災害
  7. 地域と連携したスーパーを目指す

 福島県沿岸部に位置するいわき市。人口35万人のこの町で、地元の人たちにひときわ愛されている食品スーパーが「マルト」です。市内に24店舗、茨城県に13店舗を展開し、大手総合スーパーですら撤退が相次ぐ昨今でも、年間800億円以上と好調な売り上げを維持。商圏内での売り上げシェア率は50%と、地域住民の広い支持を得ています。

マルト尼子店の外観

 マルトの社是は「心からありがとうと言って下さるお客様という名の友人をつくること」。お客様に喜ばれる仕事をしつづけていれば売上は上がると考え、その姿勢を貫いてきました。

 マルトは、1892年に安島さんの曽祖父・ 安島松太郎さんが万屋をはじめ創業しました。1964年に祖父にあたる安島祐司さんが事業転換し「株式会社マルト」を設立。20坪ほどの小さな食品販売店からスタートしました。

 安島さんは1986年に長男として誕生。家は1階が店舗、2階が自宅になっていて、従業員は家族のような存在という環境で育ちました。

 「『ただいまー!』と学校から帰ったら、そのまま休憩スペースで宿題をしたり、売り場で惣菜づくりを見せてもらったり、従業員さんたちに可愛がってもらいました。生まれた瞬間から周りに人がいるような環境で、ずっと幸せに感じていましたね」

 高校生のころには漠然と周りの人たちへ恩を返せるようになりたいと考えるようになり、家業を継ぐことを意識したそうです。大学進学と共に上京。在学中には夜間の調理学校にも通い、学業と並行して調理師免許を取得しました。その理由を「勉強があまり得意じゃなかったので、ほかにできることを増やしておきたかった」と笑います。

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