目次

  1. M&Aの目的を明確に
  2. PMIのカギは「姿勢のルール」
  3. フォーマットや会議の頻度を統一
  4. 双方がメリットを得るアイデア
  5. ルールに基づくマネジメントを

 M&Aを成功させる上で最も大切なポイントは、目的の明確化です。何のためにM&Aをするのか、それによってどうなりたいのかをはっきりさせた上で買収の準備に移ってください。

 「M&Aの目的なんて事業拡大以外にないだろう」という声が聞こえてきそうですが、それだと不十分です。例えば、「2年後に営業利益30%増を達成したい」、「3年以内に海外の売上高の比率を20%以上にする」といったように、具体的な数字が入った目的を設定しましょう。もちろん、ある程度長期的スパンで考えて構いません。

 しかし、多くの経営者は「いい案件があれば話を聞きたい」と条件ありきでM&Aを進めようとします。これが、M&Aがうまくいかない最大の原因です。

 明確な目的を決めないまま始めるM&Aは、ゴールを決めずにスタートする長距離走と同じです。目指すべき場所が分からないため全速力を出せず、成否の判断もできません。目的がはっきりしていれば、そこに向けた最短距離を全力で走れますし、進捗状況の判断も容易にできるため、必要に応じた軌道修正がしやすくなります。

 完璧な買い先は存在しません。どんな企業にも強みと弱みがあります。目的を持ったM&Aを実行し、成功につなげる努力をすべきなのです。

 買収完了後は、買収相手を自社の文化に慣らしていく作業に着手します。これはPMI(Post Merger Integration)と呼ばれるプロセスになります。ここで鍵を握るのが共通のルールになります。

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