プログラムの概要

 この取り組みは「App Store Small Business Program」といい、概要は以下の通りです。詳細は12月初旬にあらためて発表する予定です。

  • App Storeで配布中のすべてのアプリについて2020年の収益が合計100万ドル以内の既存の事業者、またはこれからアプリの配布を計画している新規事業者は、手数料率が15%に引き下げられます。
  • 事業者の収益が100万ドルを超えた場合、その年の残りの期間について、標準の手数料率(30%)が適用されます。
  • 事業が不調で、その年の収益が100万ドル未満に落ち込んだ場合には、翌年の手数料率は再び15%に下がります。

「手数料が高すぎる」批判も

 App Storeの30%という従来の手数料については、米議会で批判が出ていました。ゲーム「フォーナイト」を展開するEpic Gamesとは次のような法廷闘争も起きています。

 人気ゲーム「フォートナイト」を運営する米エピックゲームズは8月、アップルの手数料が高すぎるとして独自課金を開始。アップルは規約違反だとして、アップストアからフォートナイトのアプリを削除した。エピックゲームズ側はアップルを提訴し、法廷闘争が続いている。

朝日新聞デジタル

App Storeの市場規模は世界で年5190億ドル

 App Storeの市場について、報道発表では次のように説明しています。

 15億台以上のAppleのデバイスが世界175の国と地域で40以上の言語を通じて利用され、さらに180以上の地域社会では支払の手段としても機能し、これに対応する通貨は45種類という事実に基づき、広がり続けるユーザーベースの恩恵を得ながら、将来有望な事業を築いています。  App Store経済圏の売上は2019年の単年で全世界で5190億ドルに達し、この総額の85%以上は、Apple以外の、大企業から個人事業主まで、あらゆる事業規模のデベロッパとビジネスオーナーに生じたものです。 (中略)  2008年にオープンしたApp Storeは世界で最も安全で活気にあふれたアプリケーション市場、あるいは総数180万本を数えるアプリケーションが集まる場所として、毎週5億人もの人々が訪れています。

Apple

AppleのCEO ティム‧クックのコメント

 小規模事業者こそが世界経済の中枢であり、世界各地の地域経済にイノベーションやチャンスをもたらす活力となっています。Appleは本プログラムを立ち上げることで、小規模事業を営むデベロッパがApp Storeを通じて創造と繁栄の次の章を描き、お客様から愛される質の良いアプリケーションを生み出すお手伝いをしたいと考えています。

 App Storeは他では見られないような経済成長のエンジンの役割を担い、何百万もの新規雇用を生み出すのと同時に、素晴らしいアイディアさえあれば誰でも踏み出せる起業の道を開いてきました。新しいデベロッパプログラムは、そうした発展をさらに前進させるもので、デベロッパによる自身の小規模事業への資金調達、新しいアイディアの具現化、チームの拡大を助け、人々の生活を豊かにするアプリケーションの開発に継続的に取り組むことを支援します。

Apple