デジタルマーケティングとは

 デジタルマーケティングとは、WEBサイトやSNSを通じて自社の製品やサービスを宣伝することだけにとどまりません。WEB上での行動や位置情報、購買記録などデジタルを通じて行動するあらゆるデータを分析し、活用するマーケティングのことを指します。

 新型コロナ感染拡大によって世界経済は大きく混乱しました。Googleは「これからにそなえるデジタル マーケティングガイドブック」のなかで、「生活者の期待、習慣、購買行動は大きく変化しました。これにより、ビジネスを営む企業からその従業員、顧客に至るまでそれぞれが新たな課題に直面しています」と説明しています。

Googleが勧めるデジタルマーケティング手法

 Googleはデジタルマーケティングの進め方として「生活者インサイトにもとづいたアプローチ」の方法を紹介しています。Googleは新型コロナをきっかけに生活者の行動が変わったなかでも、検索数の推移をもとに3つのパターンがあると説明しています。

 一つ目は、「学校 閉鎖」といった検索で見られた「スパイク型」です。検索が急上昇したが下落しており、今後も持続する可能性は低いと見られます。

 二つ目は、「自宅 エクササイズ」など行動が急変化し、検索数も高いレベルで安定している「S字カーブ型」です。エクササイズ関連では「サイクリングマシン」の検索が世界でも特にスペインとフランスで伸びており、日本では「ヨガマット」の検索が増えています。

 三つ目は、「デリバリー」関連など既存の行動ではあるものの、検索が増え、今のところ持続する見通しの「急成長型」です。日本では「デリバリー」 や「宅配」 の検索トレンドが前年比163% となっています。

 こうしたパターンについて「生活者行動のニュアンスを読み取り、変化の著しい市場環境に対応する体制を整えることが重要」と解説しています。

東京・六本木でヨガ教室「ATHA YOGA」を営むインド系カナダ人のマニーシュさんがZoomを通じて自宅から指導する様子(2020年5月10日撮影)。

 一方、Googleがデータを分析するなかで見つけた生活者の変化は以下の通りです。

  • 複数のデバイスを活用しながらコンテンツを消費している
  • 現在の生活に必要な情報やコンテンツを探している
  • オンラインでの新たなつながりや関係性を発見している
  • 日常のルーティンをインターネット・ファーストに移行
  • 自分と家族のケアと他者への貢献を求めている

 ただし「昨今の目まぐるしい市場変化は、膨大なデータやインサイトをもたらす一方で、膨大であるがゆえにノイズも多く、意思決定に活用できるトレンドを特定するのは困難」だとして、GoogleトレンドやThink with Googleの利用を勧めています。さらに、「これからにそなえるデジタル マーケティングガイドブック」では、自社の置かれているビジネスへの影響を適切に評価し、Google広告などを使った対応方法もあると説明しています。

動画クリエイティブのポイント

 外出を自粛している人が増えたなかでエンターテインメントや教育など様々なコンテンツが配信されました。YouTube では、掃除や買い物、料理など日常の用事を自撮りした「一緒に」の動画の視聴が増加しています。日本では「一緒に 勉強」がタイトルに含まれる動画の視聴は前年比 5.3 倍となりました。

 ただし、動画を使ったデジタルマーケティングをする上では、世の中の状況に合わせて動画の内容が適切かどうかを確認した方が良いとして、3つのポイントを掲げています。

1.クリエイティブのトーンやシチュエーションは適切か

 動画のトーンが今の時流において適切かどうか。例えば、大げさなユーモアや アップビートな音楽は反感を買うかもしれません。

2.ビジュアルイメージに注意

 大規模な集まりや社会的なインタラクションを含むイメージには注意が必要です。また、対面でのインタラクションを必要とする CTA(行動喚起)にも注意が必要です。

3.役に立つ、共感できるメッセージを盛り込む

 自分のブランドがいかに人々の役に立つことができるかを考えてみましょう。例えば、顧客や影響を受けたコミュニティに役立つために実施したビジネスの変更や商品ライナップの変更などについてハイライトすることも一案です。

Google上に無料のオンラインコース

 Googleが実施している「はじめてのオンラインショップ支援プログラム」とは、中小企業のオンラインショップ開設やその後の成長支援を目的としています。オンラインショップ開設における支援(一部無料)、開設後の売上拡大・成長に役立つリソース・トレーニング、デジタルマーケティングに関するガイドブックやトレーニングなどが受けられます。

 「これからにそなえるデジタルマーケティングガイドブック」のほか、デジタルマーケティングを動画で学ぶコンテンツは、Googleの専用ページで読むことができます。