「経営者保証なし」融資、銀行ごとの実績を紹介【2020年公表】
経営者が個人保証をしなくても金融機関から融資を受けられる場合があります。ただし、銀行によって対応にばらつきがあります。金融庁がまとめた「2019年度下半期の実績」をもとに、各行の経営者保証の実情について紹介します。
経営者が個人保証をしなくても金融機関から融資を受けられる場合があります。ただし、銀行によって対応にばらつきがあります。金融庁がまとめた「2019年度下半期の実績」をもとに、各行の経営者保証の実情について紹介します。
金融庁は、金融機関に担保・保証に過度に依存しない融資を促すため、銀行の実績を公表しています。下記のデータは各行が公表している「新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合」を金融庁がまとめたものです。
金融庁が「主要行」と分類している9銀行の実績は次の通りです。みずほ、三菱UFJ、三井住友のメガバンクは40%台にとどまっているのがわかります。
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地銀103行についても割合が公表されています。地銀のなかで「新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合」が最も高かったのが、東京スター銀行の93.64%で「事業性評価等を積極的に進め、経営者保証に依存しない融資に取り組んでいる」と公表しています。
その後は、北國銀行(82.87%)、西京銀行(72.51%)、南都銀行(57.7%)、仙台銀行(50.73%)と続きます。その一方で20%未満の地銀も23行ありました。
経営者保証とは、会社が金融機関から融資を受けるときに、連帯保証人として経営者個人による保証をすることです。経営者が個人保証をする課題については、経営者保証に関するガイドラインで次のように指摘しています。
中小企業の経営者による個人保証には、経営への規律付けや信用補完として資金調達の円滑化に寄与する面がある一方、経営者による思い切った事業展開や、保証後において経営が窮境に陥った場合における早期の事業再生を阻害する要因となっているなど、企業の活力を阻害する面もあり、経営者保証の契約時及び履行時等において様々な課題が存在する。
経営者保証に関するガイドライン
こうしたなか、2014年2月から保証契約を検討するときや、金融機関等の債権者が保証履行を求める際における、中小企業・経営者・金融機関の自主的なルールを定めた「経営者保証に関するガイドライン」にもとづく制度がスタートしました。
法的拘束力はないものの、中小企業、経営者、金融機関が自発的に尊重し、遵守する
ことが期待されています。
経営者保証に関するガイドラインは、経営者の個人保証について次のように定め、経営者保証の弊害を解消し、経営者による思い切った事業展開や、早期事業再生等を応援します。
また、事業承継を阻害しないよう、経営者と後継者双方からの二重徴収を行わないことなどが盛り込まれた「特則」も、2019年6月に盛り込まれましています。
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