目次

  1. タスク管理ツールの種類は2つ
    1. クラウド型
    2. インストール型(オンプレミス型)
  2. 代表的な無料タスク管理ツール
    1. Asana
    2. Wrike
    3. Todoist
    4. Redmine
    5. Brabio!
    6. Jira Software
    7. Microsoft To Do
    8. Trello
  3. タスクとは
  4. タスク管理の集合がプロジェクト管理
  5. タスク管理ツールの基本機能
    1. タスクの可視化
    2. タスクのスケジューリング
    3. ガントチャートの表示
    4. メンバー間での情報共有
    5. 通知やアラームの設定
  6. 経営でタスク管理ツールが必要な理由
    1. 優先順位の可視化で資源を適正配分できる
    2. 蓄積したタスクは戦略の重要なデータになる
    3. スケジュール調整で労務の改善
    4. 上司と部下の関係にも望ましい変化
  7. タスク管理ツール導入のメリット
    1. 情報の共有がしやすい
    2. チャットやビデオ通話で連絡しやすい
    3. 情報が視覚化でき、わかりやすい
  8. タスク管理ツールを導入するときのポイント
    1. サポート体制の充実
    2. 自社に適した機能がそろっているか
    3. 使っている他のツールとも連携できるか

 タスク管理ツールは「クラウド型」と「インストール型(オンプレミス型)」の2種類に大別できます。

 クラウド型は、オンライン上でツールを操作するタイプです。ネット環境があれば、どこでも使うことができます。

 特徴は、使用前にインストールしたり設定をしたりしなくても始められる、専門知識が不要、解約が簡単、利用するたびに最新のものにアップグレードされる、などがあげられます。

 はじめてタスク管理ツールを使うなら、クラウド型から始めるといいでしょう。

 インストール型は、サーバーやパソコンにアプリケーションを取り込むタイプです。

 必要なソフトウェアもデータも全てインストール済みですから、山間部の工事現場や海上の船舶など電波が届かない場所や、インターネットに接続していないパソコンでも使うことができます。

 クラウド型と違って、通信回線を介して外部のサーバーを利用しないので、セキュリティ上の安全度が高いのも特徴です。

 一方で、求められたらこまめにシステムをアップグレードしていかないと、最新の状態に保てず、機能が制限を受けたり、セキュリティ上の問題が起きたりする場合もあります。

 システムに関する専門的な知識を持っている、自社に適した設定にカスタマイズしたい場合に向いています。

 タスク管理ツールは、クラウド型もインストール型もさまざまなものが市販されています。その中で比較的普及し、基本的に無料のツールを選んでご紹介します。(料金や機能は2022年8月1日時点での情報です)

  1. Asana 
  2. Wrike
  3. Todoist
  4. ​Redmine
  5. Brabio!
  6. Jira Software
  7. Microsoft To Do
  8. Trello

 Asanaは、Asana Japanが提供しているクラウド型のタスク管理ツールです。初心者にやさしいドラッグ&ドロップを基本動作に採用しています。

サービス名 Asana
特徴 ・基本動作がドラッグ&ドロップ
・進捗状況の共有や期限の設定など主要な機能がひと通りそろっている
・オートメーション機能で手作業を自動化できるのでミスを防ぐことができ、時間の節約にもなる
料金 ・Basic:無料(15人まで利用できる)
・Premium:1人1,200円/月
・Business:1人2,700円/月
向いている会社 中小規模で、従業員がパソコンの操作に使い慣れていない会社
利用時の注意 操作に習熟すると、やりたいことが制約を受けるため、物足りなさ、不便さを感じる可能性がある
公式サイトURL https://asana.com/ja

 Wrikeは、分析機能が充実しているクラウド型のタスク管理ツールです。国内外問わず、多くの企業が取り入れています。

サービス名 Wrike
特徴 ・タスクの進行状況を可視化する分析機能が充実
・別作業でレポートを作成しなくても高度な分析が可能
・プロジェクト遂行に必要な要素を全て1カ所で管理できる
料金 ・Free:無料(5人まで)
・Professional:1人あたり9.80ドル/月(15人まで)
・Business:1人あたり24.80ドル/月(200人まで)
・Enterprise:要問い合わせ
向いている会社 小規模なプロジェクトを多く抱えている会社
利用時の注意 他のツールと比較すると価格がやや高めのため、利用人数、必要な機能、予算をあらかじめ詳細に決めておく必要あり
公式サイトURL https://www.wrike.com/ja/

  Doist が提供するクラウド型のツールがTodoistです。Googleアプリとの連携に強いのが特徴としてあげられます。

サービス名 Todoist
特徴 ・日や週ごとの目標を設定し、達成度を一目でわかるグラフで可視化できる
・完了したタスクをチェックしたらどんどん消していくシンプルな形式
・Google Drive、Google MAPなど連携できるアプリの種類が多い
料金 ・無料:5人まで
・プレミアム:1人あたり488円/月(25人まで)
・ビジネス:1人あたり688円/月(50人まで)
向いている会社 1人が同時に複数のプロジェクトを管理している会社
利用時の注意 有料プランでも料金は安いが、機能は利用度が高いものに絞り込まれている
公式サイトURL https://todoist.com/ja

  Redmineはプロジェクト管理ツールのひとつで、タスク管理ツールとしても利用できます。インストール型です。

サービス名 Redmine
特徴 ・機能に対する技術的な評価が高い
・クラウド型の「My Redmine」もある(有料)
料金 Redmineは無料
My Redmineの料金(ストレージ容量により異なる)
・スタンダード(S):8000円/月
・ミディアム(M):14000円/月
向いている会社 システムに習熟したエンジニアがそろい、とにかくコストを安く抑えたい会社
利用時の注意 エンジニア向けにつくられているので、そうでない人は使い慣れるまで時間がかかるのを覚悟する必要がある
公式サイトURL https://redmine.jp/

 Brabio!は、ガントチャートを簡単に作れるのが特徴のクラウド型のツールです。有料プランは、利用料金はグループ単位で課金されます。

サービス名 Brabio!
特徴 ・ガントチャートのようなチャート図を初心者でも簡単に作成できる
・ガントチャートをエクセルに一括出力する機能があり、取引先や官公庁など社外にエクセルで見せることができる
・「プロジェクト横断ビュー」で、会社全体で進行している全てのプロジェクトとその担当者、個々のタスクの状況を一括して見ることができる
料金 ・無料プラン:5人まで
・エントリープラン:利用可能人数によってプラン10、20、30、40、50
プラン10:3300円/月(10人まで)、プラン20:6600円/月(20人まで)
・ミッドレンジプラン:利用可能人数によってプラン100、200、300
・エンタープライズプラン:必要な機能をカスタマイズできる。料金は応相談
向いている会社 進行中のプロジェクトを多数抱えている会社、官公庁の仕事などで進捗状況を頻繁に社外に報告する必要がある会社
利用時の注意 利用可能人数に応じてプランを選ぶ必要がある。有料プランは1人あたり330円/月の計算だが、たとえば41人でプラン50を選ぶと割高になるので注意
公式サイトURL https://brabio.jp/

  Jira Softwareは、ソフトウェア開発のために生まれたクラウド型のタスク管理ツール。設定の自由度が高く、タスク管理の効率化が簡単です。

サービス名 Jira Software
特徴 ・全体像を把握できるロードマップ機能
・パフォーマンスを報告するレポート機能
・他の開発ツールとの連携に対応
・使いやすくカスタマイズできる
料金 ・無料プラン:10人まで
・Standard:1人あたり900円/月(3.5万人まで)
・Premium:1人あたり1730円/月(3.5万人まで)
・Enterprise:要問い合わせ
料金はストレージ容量により異なる
向いている会社 ソフトウェア開発企業には特に向いている
利用時の注意 ・ソフトウェア開発企業以外ではカスタマイズに手間と時間がかかる可能性がある
・設定を自由にできる反面、煩雑になりやすい
公式サイトURL https://www.atlassian.com/ja/software/jira

  Microsoft To Doは、モバイル端末と連携しやすいオープンソースソフトウェアです。インストール型です。

サービス名 Microsoft To Do
特徴 ・Windows10だけでなく、iPhoneやAndroidのモバイル端末にも同期できる
・Outlookと接続して、全てのタスクに優先順位をつけて一括管理することができる
料金 無料
向いている会社 Windows、マイクロソフト製品ユーザーで、コストをかけずにタスク管理をしたい会社
利用時の注意 マイクロソフト以外の製品を使っていると、タスク管理との連携ができず、かえって不便を感じやすい
公式サイトURL https://todo.microsoft.com/tasks/ja-jp/

 Trelloは、直感的な操作が魅力のタスク管理ツールです。インストール型です。

サービス名 Trello
特徴 ・各タスクをカード(カンバン)形式で管理できる
・有料プランはAI(人工知能)に作業を任せてワークフローを自動化できる
料金 ・無料:利用人数無制限
・Standard:1人あたり5ドル/月(コマンド実行回数制限あり)
・Business:1人あたり10ドル/月(コマンド実行回数制限あり)
・Enterprise:1人あたり17.50ドル/月(コマンド実行回数無制限)
向いている会社 タスク管理にかけるコストをできるだけ節約したい会社
利用時の注意 インストール型なので、こまめにアップグレードしてシステムを最新の状態に保っておく必要がある
公式サイトURL https://trello.com/ja

 タスク(task)は、日本語で「作業」「業務」「役割」「職務」などと訳されます。タスクはチームやグループ、個人それぞれに割り当てられています。

 ビジネスパーソンで言えば、たとえば新規事業の立ち上げなら「会議で決まったことをもとに計画書を仕上げる」「取引先に協力を働きかける」「官公庁への申請書類を作成、提出する」「必要な資材を調達する」「新規事業を報道機関に告知する」などのタスクがそれぞれの社員に割り振られているはずです。

 全員がそれら全てのタスクを100%完遂すれば、新規事業はスムーズに走り出せるでしょう。

 「タスク管理」は個別のタスク、つまりチーム、グループ、個人に割り当てられた個々の担当職務を「To Do(やるべきこと)」「Work(やっていること)」「Done(やったこと)」に分類・整理して、進捗の状況を正確に把握することから始まります。

 それをもとに問題の発見―修正―解決―検証というPDCAサイクルを回してタスクの「個々の最適」を目指します。

 タスク管理に似たものに「プロジェクト管理」があります。タスク管理はプロジェクト管理の一部をなすという考え方もできますが、本来は別々のものです。

 しかし、タスク管理とプロジェクト管理がうまく連動しないと、プロジェクトの成功は望めません。

 先のビジネスパーソンの例で言えば、プロジェクト管理の目的は「新規事業を立ち上げること」です。

 それを目指してメンバーそれぞれの計画書作成のタスク、取引先折衝のタスク、官公庁折衝のタスク、資材調達のタスク、広報役のタスク、その他もろもろのタスクがうまく連動してはじめて、新規事業は力強く動き始めます。

 つまり、プロジェクトとは個々のタスクの集合であり、プロジェクト管理は監督や部長のようなマネージャークラスに権限と裁量がありますが、タスク管理は個々の選手や社員の裁量に任される部分が大きい、という違いがあります。

 プロジェクト管理の目的をうまく達成させるには、個々のタスク管理をしっかり行っていくことが必要不可欠です。

 実際のビジネスの現場では、たとえばプロジェクトチームを組んだとすると、プロジェクトのマネージャーが、「君はこんな役割だ」「君はこれをやれ」と、メンバー個人にタスクを割り当てます。

 大規模なプロジェクトでは、マネージャーが個人ではなくグループやチームに対してタスクを割り当てることもあるでしょう。その場合でも、グループやチームの中でさらに個人にタスクを割り当てています。

 そのタスクを遂行するのに役立つのが「タスク管理ツール」です。このシステムには、基本的な機能が5つあります。

 タスク管理ツールは、タスクをわかりやすく可視化します。そうすることで個人は「やるべきこと」の優先順位をつくることができます。

 可視化と言うと、見える状態にすればいいと考えがちですが、それではまだ不十分です。

 たとえばあるメンバーが、タスク管理ツールでやらなければならないタスクをリストアップして、自分用の「To Do(やるべきこと)リスト」の一覧表をつくったとしましょう。

 このとき、そのメンバーは「To Doリスト」を並べ替えて、自分がやるべき仕事の優先順位をつけなければなりません。単に自分がやるべきことを一覧化しただけでは、結局タスクをスムーズにこなせないからです。

 タスク管理ツールには、それぞれのタスクの「いつから始める」開始日時と「いつまでに終える」終了日時を設定し、カレンダーに表示させる機能が備わっています。

 これによって優先順位や作業の全体像を視覚的に把握し、遅れや漏れを防ぐことができます。

 タスク管理ツールの多くは、全体の「ガントチャート」を表示できます。これによって、メンバーに割り当てられ、同時に進行しているタスクの流れと進捗状況がひと目でわかります。

 また、「みんな今月中にタスクを終わるのに、自分だけ終了予定が来月なのはまずい」といったように、自分のタスクのスケジューリングの開始日時、終了日時を見直すこともできます。

 タスク管理ツールには、ファイルの共有、コメントの付与、チャットなどの機能がついていて、メンバー間での情報共有がしやすいのも特徴です。

 たとえば自分のタスクについてメンバー全員に一斉同報で連絡して、そのログを残しておけば、後で問題が生じた場合に自分の責任かどうかわかるので、対処しやすくなります。

 プロジェクト・リーダーが期待する良いチームワークは、まず情報共有から始まります。

 「通知機能」を備える タスク管理ツールも多く見られます。

 プロジェクト・リーダーなどから新しいタスクが割り当てられたり、タスクの内容に変更があった場合、通知機能があれば関係するメンバーとの間の情報共有がスピーディーに行えます。

 進捗状況を報告するタイミングでアラームを設定し、タスクの遅れや漏れを未然に防ぐことも可能です。

 ビジネスの現場でなぜタスク管理ツールが必要とされているのでしょうか?

 経営の視点で言うなら、それは業務の効率化、状況の変化への対応、戦略的なマネジメント、働き方の改善などで効果を発揮しているからです。

 リモートワークがひろがりメンバー間のコミュニケーションをとりにくい状況が生まれている今、その有用性はますます高まっています。

 タスク管理ツールの大きなメリットの一つに「タスクの優先順位が明確になる」があります。

 今すぐにやるべきことは何か、最も時間をかけて取り組むべきなものは何かを、明らかにしてくれます。

 いくつかのタスクが同時進行している場合でも、ペース配分をうまく調整することで、経営にとって貴重な時間という資源を適正に配分できます。

 タスク管理ツールを使っていると、データがどんどん蓄積されます。

 それぞれのタスクにどのくらい時間やコストがかかったかなどが後で簡単に分析でき、経営戦略の立案に活用できます。

 たとえば次のプロジェクトやキャンペーンを、より人手をかけず、より短時間に、より低コストに行いながら大きな効果をあげるにはどうすればいいかを、多角的に分析して、計画に盛り込むことが可能です。

 タスクの進捗状況がひと目でわかるタスク管理ツールを使うと、メンバーの誰が苦戦しているかがわかります。

 それはその人に過大な負荷がかかっているからかもしれません。それなら期限を延ばす、タスクを分割して誰かに肩代わりさせる、交代させて休ませるなど、スケジュールを調整したりタスクの再配分を行えば負荷が軽減できます。

 それは残業時間を減らす「働き方改革」の観点や、社員の健康維持を考える「健康経営」の観点でも、望ましいでしょう。

 「パワハラ」という言葉も登場し、企業の将来を託したい若手社員の早期退職も増えています。昔よりも上司と部下の関係はデリケートです。

 上司なら「自分の部下はいま何に悩んでいるのか」「仕事で大変な思いをしていないか」を知りたいものでしょう。

 タスク管理ツールは、人の主観が入らない客観的で正しいタスクの進捗状況を提供してくれます。

 つまり、的確なタイミングで「仕事が大変で悩んでいないか?」と声をかけられるようになるのです。うまく対処できれば部下との信頼関係を築き、良き人間関係をもたらしてくれるかもしれません。

 距離的に離れているリモートワーク中の部下であれば、なおさらそれは重要でしょう。

 「タスク管理ツールを使わなくても、エクセルで代用できる」と思う人がいるかもしれません。

 しかし、タスク管理ツールにはエクセルのカスタマイズではできないような具体的なメリットがいくつかあります。

 第一に「情報の共有」が挙げられます。

 もし個人でエクセルでタスク管理を任せ、チャートなどをつくらせたら、事前にレクチャーしていても、おそらくバラバラなものになってしまうでしょう。

 エクセルの習熟度も使い方のクセもレイアウトの好みも、人によって違うからです。

 タスク管理に個性が出すぎると、プロジェクトマネジャーや他のメンバーは進捗状況を把握しにくくなります。

 一方、タスク管理ツールは、チャートのつくり方や入力方法のようなタスク管理のフォーマット(テンプレート)が統一されています。

 そのため、プロジェクト・マネージャーは全体を統合した一覧表をつくりやすく、進捗状況を視覚的に把握しやすくなります。メンバー間の情報の共有もスムーズです。

 タスク管理ツールには「チャット」や「ビデオ通話」の機能がついていることがあります。それはツールに「LINE」や「Zoom」がついているような感じです。

 すぐに相手から返事がほしい場合は、メールよりもLINEの数行のメッセージのほうが好都合でしょう。情報を共有したい場合、1対1の電話よりも多数対多数のオンラインミーティングができるZoomのほうが好都合でしょう。

 それと同じように、タスク管理についてメンバー内で質問したいことや提案したいことが出てきて、お互い連絡をとりあいたいとき、メールや電話よりもツール付属のチャットやビデオ通話のほうが、コミュニケーションはやりやすくなります。

 それは情報の共有がしやすくなることを意味します。

 たいていのタスク管理ツールは、「視覚化」を売り物にしています。表のデザインに工夫をこらして進捗状況がひと目でわかり、いま自分が優先すべきタスクもすぐわかります。

 類似のフォーマット(テンプレート)をエクセルでつくろうとすると、時間と手間がかかりますし、ある程度のセンスも必要です。

 それよりはプロがつくったお手本のテンプレートを利用したほうがいいでしょう。

 タスク管理ツールを導入する際は、業務、メンバーの人数、プロジェクトの目的や内容に合ったものを選ばなければなりません。そこでは重要なポイントがいくつかあります。

 タスク管理ツールは「かんたん操作」を売り物にしたものが多く、たとえばドラッグ&ドロップだけで簡単に入力ができたり、チャート画面を切り替えられたりします。

 しかし、はじめのうちはそれでよくても、だんたん「こんなこともできるのか?」という疑問や、「こんなことがしたい」という要望が出てくるものです。

 そのとき、「サポートデスク」にすぐに連絡がとれて、問い合わせできるかどうかは重要です。

 問い合わせ窓口に開発スタッフのような中身にくわしい人を置いていて、難しい言葉は使わずに疑問や要望を理解してきちんと返事をしてくれるかどうかも、そのツールの使い勝手を左右します。

 SNSなどの口コミ情報で、「サポートデスクの電話がつながらない」「メールの返事が遅い」「言うことをなかなか理解してくれなかった」といったメッセージがよく見かけられるようなら、慎重に検討したほうがいいかもしれません。

 タスク管理ツールの機能はどれも似たり寄ったりではありません。自社に適した機能がそろっているかどうか、事前にしっかり確認してください。

 そのためには、「メンバーのスキル」「作業の内容」「タスク管理で求めること」などに応じて、どの機能があるといいのか、正しく把握することが大切です。例をあげましょう。

メンバーがみんな機械に弱い
 ⇒ドラッグ&ドロップだけで簡単に入力できるものがよい
建設工事の現場や屋外作業に関わるようなタスク管理がしたい
 ⇒スマホで入力や確認ができるものがよい
タスクのデータを分析して戦略立案のために活用したい
 ⇒蓄積したタスクのデータを分析できるものがよい
リモートワーク中のメンバーともスムーズに意思疎通したい
 ⇒チャットやビデオ通話などコミュニケーションツールが充実しているものがよい

 逆に、「大は小を兼ねる。何が必要になるかわからないから、とりあえず、できるだけたくさん機能がついているものを選ぼう」というやり方だと、操作が複雑で使いこなせなかったり、ムダなコストをかけてしまったりする恐れがあります。

 もちろん、大規模なプロジェクトに発展しそうなら、あえて機能満載のオールインワンタイプの大型ツールを選ぶのもひとつです。

 すでに、エクセルでつくった簡易型のタスク管理ツールや、マイクロソフトの「Outlook」、スケジュール管理のツール、グループウェアのような他のツールを使っているのなら、タスク管理ツールがそれと連携できるかどうかもチェックポイントです。

 連携していれば既存のデータを手間と時間をかけて移植しなくても、そのまま利用できるからです。

 ただし、それにこだわりすぎるとツールの選択肢が極端に狭まることもあります。場合によっては、コストを考えて妥協する柔軟な姿勢も必要です。