【5分で理解】ランディングページ(LP)の特徴・作り方・制作費用を解説
コロナ禍の中、事業のオンライン化が進み「ランディングページ(LP)」という言葉を聞くことが増えたのではないでしょうか。一方でどういったページを指すのか、制作費用はどれくらいかなどがわからない方も多いはずです。この記事で、LPを扱う広告運用の専門家がわかりやすく解説します。
コロナ禍の中、事業のオンライン化が進み「ランディングページ(LP)」という言葉を聞くことが増えたのではないでしょうか。一方でどういったページを指すのか、制作費用はどれくらいかなどがわからない方も多いはずです。この記事で、LPを扱う広告運用の専門家がわかりやすく解説します。
目次
訪問者がサイトに着地する(land)ページというイメージから、WEBサイトの訪問者が外部からそのサイトにやってくる際に最初に開くことになるページのことを「ランディングページ(LP)」と言います。
特に、ディスプレイ広告やリスティング広告といったWEB広告の、リンク先として指定する自サイト内のページのことを指します。
訪問者が着地した全てのページをLPと呼ぶこともありますが、WEBを使ったマーケティングにおいては主に縦長で一枚完結型のページのことをランディングページというのが一般的です。
一枚完結型のランディングページは、顧客に行動してもらうことに特化したページであり顧客から得たい反応を得るためのオファー(提案)を、Web上に1ページでまとめたものです。
顧客から得たい反応とは、具体的には以下のようなものがあります。
ランディングページはまずは顧客に上記のような問い合わせや個人情報の登録をしてもらい、のちに本商品を購入してもらうためのページであり、売り上げを向上させるための1つのWEB施策です。
ランディングページは、縦長で一枚のWEBページに収まる一枚完結型のものが主流です。1ページの中には、顧客に商品を購入、問い合わせといったアクションを起こしてもらうために伝えたい情報を詰め込むため必然的に情報量が多くなり長くなります。
WEBページはパソコンやスマホの画面で見ることがほとんどであり、1ページに集約することによってページが切り替わることなく、顧客は”縦のスクロール”で全ての情報を得ることができます。
読み手にとっても別ページに行く必要がないため、ストレスなく読み進めることができます。
さらに人間の情報処理能力的にも、目を左右に動かすよりも上下に動かす方が自然であり、疲れが少なくすみます。このような理由からランディングページは縦長の一枚完結型のページになっているのです。
ランディングページの最終的なゴールは、顧客に商品を購入してもらうことです。ランディングページ内のオファーが様々ある分本質を見失いがちですが、結局のところ商品が売れなければ意味がありません。
そのため、ランディングページには様々な売るための設計が施されています。
営業のセールストークの中で顧客に響く言葉や訴求があればテキストに起こしランディングページ内に取り入れたり、顧客が漏らした現状不満を共感要素として本文に追記したりもして、より顧客が商品を購入しやすいような導線を作っていきます。
また、ランディングページ内のオファーがメルマガの無料登録や資料請求であったとしても、目指すべきは「無料商品購入」であり、本商品購入に繋がるオファーをしなくてはなりません。
そのため、テキストのライティングには、行動心理学や社会心理学に基づいて形成されるセールスコピーライティングというスキルが用いられているのも特徴です。
ランディングページは一枚完結型のページのため、顧客がアクションを起こした際にたどり着くページが申込ボタンを押した後に表示される遷移先のページに絞られます。
他のページへのリンクが少ないためページ移動やサイト内の回遊がなく、離脱を抑えることができます。
そのため、通常のWEBサイトや数カ所遷移先があるページよりも多くのページ訪問者にアクションを起こしてもらうことができ、高い問い合わせ数や資料請求数が見込めます。
売れる営業マンのセールストークをランディングページに当てはめることができるというのも、メリットの一つです。
直接顧客と接し顧客の声を聞いている営業マンの営業トークをランディングページのテキストに加えることで、成約率の向上・多くの顧客の獲得が期待できます。
ランディングページでは、顧客に情報を伝えたい順番で伝えることができます。
通常のサイトのページでは、関連性のあるページのリンクが貼ってあったり、ボタンが横並びにあったりして好きなページへと移動できるようになっており、好きな情報のみを手に入れるように設計されています。
しかしながら、ランディングページは他のページのリンクが少ない縦長の1ページです。顧客にとっては、必然的に上から順番に読んでいく選択肢に絞られます。
そのため伝えたい順番に情報を配置することができ、顧客に得て欲しい情報・読んで欲しい情報から伝えることができます。
こうすることで、顧客が商品を購入したり問い合わせるために必要な情報が目に止まりやすくなり、顧客の信頼を得やすくなったり興味を持ってもらいやすくなったりするのです。
ランディングページでは、Googleアナリティクスといったページ訪問者数・アクションを起こした顧客の数などを数値化できるツールや、ヒートマップと言われるページ内のどこで顧客が離脱したかが数値化されて目視できる計測ツールを用いることができます。
今どこで何が起こっているかを数値化することができるので、どこから改善したらいいのかの判断がしやすく早期改善につながります。
さらに、ページ内の一部を変更し効果を検証するA/Bテストもできるため、様々な施策を試行することができます。
ランディングページを1から制作しようとすると、主に以下の作業が必要です。
このように、効果的なページにするためには、かなり多くの時間と工数が必要になってきます。どれだけ早い業者でもワイヤーフレーム〜サイトコーディングまでで1〜2週間はかかってきます。
さらに、シナリオの作成や全体文章の作成は、初心者の方が何もないところから作り上げようとするとかなり手間がかかります。
ほとんどのランディングページがWEBデザインの施されたデザイン性のあるページとなっており、ページの大半が画像化されている場合が多いです。
しかしながら、GoogleやYahoo!といった検索エンジンは、テキストは読み込むことができるものの、画像化された文字は読み取ることができません。
ページの長さの割に検索にかかるための情報量が少なく、そのため上位表示されにくい傾向にあります。
ランディングページを作るときは、まずは戦略設計をする必要があります。戦略設計とはどのような人をターゲットにするのか「入り口」と、どんなアクションを起こしてもらうのかという「出口」を設計することです。
そのために徹底してリサーチをし、メッセージを伝えるターゲット(見込み顧客)を明確にする必要があります。
ランディングページの最終目的は、本商品を購入してもらうことです。そのためにはまず「誰に向かって売るのか」が明確に決まっていなければ伝える内容はわかりませんし、顧客の心にも響きません。
そのため、商品を購入してくれそうな顧客はどういう人なのかを、過去の購入者や競合他社の商品購入者など見ながらリサーチし、ターゲットを明確にするといった戦略設計をする必要があります。
ターゲットが明確になったら、次は構成案を作成していきます。何をどう伝えれば商品を購入してくれるのかを考えながら売れる構成案を設計していきます。
「構成案といってもどういったものがいいのかわからない…」といった方もいるかもしれませんが、実はランディングページには構成の型が存在します。その構成とは下記になります。
制作会社に依頼する際も、構成は自社考える必要があるケースがよくあります。最初は上記のような流れでランディングページの構成を練ることをお勧めします。
構成案ができたら、コピーライターやWEBデザイナー、コーダーに依頼してランディングページの制作に入っていきます。
ここで注意したいのは全て任せきりにすると多少イメージとずれが生じ、イメージ通りにしようとするなら工数を持つ必要があると言うことです。
イメージ通りのデザインやライティングがされないと、ついつい制作者の腕を疑いたくなるものですが、ほとんどの場合依頼の仕方に問題があります。
イメージ通りにしようとするためには、参考になるものやイメージに近いランディングページ、トンマナ(色合い)、商品の訴求ポイントなど、制作のヒントになる情報を明確に伝えることが大切です。
制作する際に制作側からどんなランディングページにしたいか要望を聞くためのヒアリングシートをもらえることが多いのでそちらに明記するか、もしなければ自社で用意して渡すとスムーズに制作を進めてもらえます。
LPが制作ができ、運用がスタートした後は、結果を評価し、場合によっては改善する必要もあります。
ランディングページの評価・改善には、PTエンジンやミエルカのようなヒートマップというページ計測ツールを用いて計測する、Googleアナリティクスを使って数値計測をする、といった方法があります。
ヒートマップを利用すると、ページのどこで離脱が起きているのか、どの箇所が見られていないのかなどミクロな数字を視覚化して見ることが可能です。そのため、離脱の多い箇所の画像を差し替える、画像の位置を変更する、といった改善策を打つことができます。
Googleアナリティクスを利用すると、何人の人がページを見ていて、どれくらいの人がCVしたのかを見ることが可能です。ランディングページのCVRは平均で5%前後、10%程度あれば素晴らしいとされているので、その数値を目安に改善を行うといいでしょう。
ランディングページでは文字で顧客に訴求するだけではなく、文字をより印象付けるためにデザインを用いて伝えたい内容を強調していきます。
そのため比較的にデザイン性の高いページになり、WEBデザインの知識がない方が自力で作るのは難しく、WEB制作会社に依頼するケースがほとんどです。
制作費用の相場としては、1ページで10万〜50万円であり工数やページの機能によって金額が前後していきます。
さらに、今ではスマートフォンユーザーがほとんどのためパソコン用のランディングページだけではなく、スマートフォン最適化がされた仕様のランディングページを依頼する方が多いです。
その場合は、さらに追加料金が必要となってきます。追加料金の目安としては、2万〜5万円程度のところがほとんどです。
目的別での費用の相場や制作期間は以下になります。
※制作期間は、制作を依頼してから納品までの期間です。
制作費用を抑えるにはどこまで自社で行うのか、もしくはどこまでを依頼するかがキーになってきます。
戦略設計や構成案など、事業目線でリサーチからする必要があるものに関しては自社でもつと制作期間は短くて済みます。
ただ逆に戦略設計から依頼すると、まず依頼者側に商品の情報を理解してもらうところからスタートとなるため期間が長く費用も上がります。
そのため、どの制作会社に依頼する際もどこまでを依頼するのかを事前に決めておくと「思っていたよりかかってしまった…」と言うことがなくスムーズに依頼ができます。
最後に、私の実務経験に基づく事例をご紹介します。ほかの企業はどのような理由でランディングページを制作するのか、どういった課題を抱えがちなのか、そうしたイメージを掴むための参考としてください。
サービスを紹介したサイト型のホームページを使われていたお客様の事例です。
こちらのお客様は、ホームページでのCVR(コンバージョンレート)が悪くなかなか問い合わせが来ないため、改善するためにランディングページでの広告運用に切り替えたい、といった内容で私にご依頼いただきました。
一枚完結型のランディングページに切り替えたところ、今までサイト内で回遊してしまい、その後離脱していたユーザーをCV誘導することに成功し、CVRが5.4%改善しました。
ランディングページを使っているけれど、なかなかCVしないといったお悩みを抱えているお客様の事例です。
ランディングページ改善のコンサルティング、及び修正のご依頼を受け、ランディングページを見たところ、申し込みボタンから申し込みフォームに遷移させる導線となっていました。
そこで、ページ最下部に問い合わせフォームを設置し、ページ内で問い合わせができる仕様に変更。これまでは申し込むのにページを切り替えるというワンクッションが必要でしたが、それを取り除きました。すると、程なくしてCV数が1.4倍にアップしました。
ランディングページの作成では、いかにユーザーにストレスを与えることなく設計するかが重要だとわかる事例です。
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